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2020 フェブラリーS;回顧

2020.2.23 フェブラリーS
東京ダ1600 16頭
34.6–58.7–1.35.2(36.5) ミドルペース

 

1着;モズアスコット LS
前がキツくなった展開もこの馬にとって良かったのもあるけれど単純に強かった。その可能性は想定して事前に評価していたので特に驚きは無い。クリソベリルみたいな馬もそうだが本質的な弱さを見せるまではとりあえず評価しておいた方が無難かな。この馬の現状想定出来る弱点は精神力を問われる場面くらいだが、格と量を持ったという事を考えるとそもそも本質の部分まで問われる可能性が低い。国内のダート戦線ではクリソベリル以外の相手ならLとか量とか格だけでレースをこなせてしまうという事。

 

2着;ケイティブレイブ LM(S)
事前には全く評価していなかったがMラジを聴いて確かにカードは持ったのかなと納得して当日は押さえていた。外枠とまとまり系の人気落ちでプレッシャーから外れた事によって自身の力は発揮しやすいタイミングになっていた。ただあくまでLMっぽい馬が開放感を感じてスッとまとめて来るようなパターンでしか想定していなかったので今回のこのSを感じる走りには驚いた。結構グイグイ感があったし最後も後続に詰められる事なく伸びている。ここまでのSのある馬では無かったと思うので今回のパフォーマンスでかなりのSの放出をして萎んでいくのか、もう少し勢いで走れるのか見てみたい。驚いたし個人的に納得のさせ方も難しいけどよく走ったと思う。

 

3着;サンライズノヴァ CM(S)
2走前に先行策で地方G1を勝っている馬をこのタイミングで松山はよく後ろに下げた!しかも道中も全く焦らずにしっかり我慢していたし、肝を据えて全てを直線に賭ける乗り方で素晴らしかった。M的にもこの騎手の評価は上げておきたい。ここまでの好騎乗があれば馬としてこのくらいのパフォーマンスは出せる。前がキツいタイトな展開も向いたが休み明けで馬体を増やしていた事もあって3着までだったという感じ。まとまって来ている感じもしなくはないのでこの3着を、やる事を全てやった上でのポテンシャルの上限と見るのか、休み明け馬体増で重くて少し破壊力が削がれていたのでもう一段跳ねがあると見るのかは難しいところ。例えば武蔵野からの直行ではなく前哨戦の根岸で先行からの本番差しショックというパターンだと短期的なショックになり反応はするだろうが走った疲労とストレス、あとは同路線のカテゴリーストレスが出てしまう。そういう意味では異端を引ける直行で来たのは悪くなかったと思う。もう一段跳ねるのか、まとまったのか、今後見てみたい。

 

4着;ワンダーリーデル CM
大外枠だったが道中はロスなく内を回って脚を溜めて、直線で外に出して差して来た。4着まで来ているがSを感じないし、展開の利を得ながら精神力でまとめて来たような印象。一応精神力を持っているとは思うがやはりセカンドクラスかな。ケイティに突き放されているのも良くないし、最後ノヴァに差されているのも微妙。あそこで粘って馬券内に来れていればまだ評価できるが。

 

5着;タイムフライヤー SM
先行馬の中でこの馬が最先着なのがこのレースのポイント。タイトなペースになって上がりより体力を求められたのがこの馬に向いた。休み明けで活力ある状態で、体力を求められる理想的な展開と、この馬の良さ(体力)を活かすベストな乗り方で5着だったのでここが能力の限界でいいと思う。

 

6着;キングズガード SM
展開が向いたのもあるが最後は伸びて来ている感じで活力は感じた。よくここまで凡走なしでまとめて来ている。ただこの差し有利の展開で6着なので能力的に限界だとは思う。

 

6着;モジアナフレイバー SL
そこそこグイグイ感はあった。ただ短縮で来る地方馬だと道中のスピードが多分キツくて、頑張って差して来てももうレースは終わっていましたみたいな感じになっちゃうのかな。この馬にはある程度のSは感じるが地方馬の臨戦としてはもっとSの勢いが欲しい。

 

8着;ノンコノユメ SM
ズブくなったこの馬には地方からの短縮臨戦はキツいし、Sもかなり弱まっている。

 

9着;アルクトス CM(L)
これはワイドファラオと全く同じで、武豊とインティというペースメーカーがいなくなった焦りがそのままペースを上げてしまって体力切れで自滅。能力自体が上位クラスでは無さそうだが、休み明けでいきなりタイトなレースになって本質の脆さが出た感じ。緩いペースでインティの後ろでセコセコ乗れば本質ではなく量と精神力でこなせたと思うが今回は全てが悪い方に出てちょっとかわいそうだったかな。Cっぽい馬だが量とかLもあるのでこの後の苦→楽には反応出来ると思う。

 

10着;ヴェンジェンス SM
ストレスを持った状態だったのに強気にキツいレースに参加してしまってしっかり反動が出て凡走。上位に来ている人気薄の差し馬達のような乗り方をすればまだもう少しあったと思うが、中途半端に人気になっていたし多分鞍上が強い馬だと思って勝ちにいこうとしていた感じ。弱いとは言わないがG1で普通に能力で通用する感じでは無いので人気落ちと展開の助けみたいなものは必要。体力があると思っていたけれどそういう感じじゃなさそう。今回のレースはタイムフライヤーのように体力のあるタイプならまとめられている。

 

11着;ミューチャリー S
前走のストレスと疲労を抱えた状態で短縮ペースアップになりキツかった。モジアナフレイバーと同じようにそもそもスピードが足りていないのに加えてこっちは自分の中に重荷(ストレスと疲労)も持っていたという感じ。

 

12着;ワイドファラオ SM
前走の肉体的な疲労を多少抱えた状態で延長ペースアップのかなりキツいレースを自分で作ってしまって自滅。しぶとさを活かせるレンジにすら入れられなかった。タイムフライヤーに並ばれた時点でもう体力が無くなっていた。本質的な能力の強さも無いし仕方ない。アルクトスの所で書いたがペースメーカーを失ってオロオロしながら逃げた感じで、決して自分で決めた逃げでは無かった。

 

13着;ブルドッグボス S
今回の体力レースで大幅馬体減は微妙。Sの勢いはあったがかなりのアップ質になっていたはずで、延長のペースアップで馬が「いや、無理無理」という感じの投げ方。Mラジで琢也さんが言っていた通り前走が無くて、間隔を空けつつ勢いも保って直行だったら面白かったかなと思う。コパノキッキングに勝っている事は事実なので弱くは無い。

 

14着;インティ LS(量)
元々個体の強さは無いが、スタートで前に出られなかった事によって見事に量を完全に失って、単純にLの馬が短縮格上げペースアップという三重苦で凡走したという事でいいと思う。これはスタート前の段階では逃げそう逃げそうという空気感も込みでかなりの量を持っていたし評価した事は間違っていなかったと思っている。他の馬達ががっつりマークして潰しに来ていたわけでも無いし、偶発的にペースが上がって量的な捲りを入れられるタイミングもなく「結果的に」量を完全に削がれたというもの。そうなるとただのLの馬なのでこの凡走も頷ける。今後はダウンとか延長のようなL条件で。強くはないが格下のメンバー相手ならまとめてくる。

 

15着;デルマルーヴル SM
短縮で位置を下げた所までは想定通りだったが、蓄積の疲労を抱えた状態でこのタイトなキツいレースは厳しかった。厳しいレース展開になった事によってこれまでの蓄積疲労とストレスが一気に出てしまったという事。インティが逃げるスロー寄りのレースならごまかせた可能性はあったと思う。今回やっと全て吐き出したので今後また注目して見ていきたい。能力はある。あと学びとしては地方のレースからの短縮は基本的にキツいという前提で見た方が良いですね。相当の乗り越えられる要素が無いと評価しづらい。

 

16着;ミッキーワイルド L(S)
他の馬達と同じように今回のタイトなレースはキツかったと思うがそれ以上にこの馬は本質の部分が大した事ないと思う。予想でも書いたがプロキオンアルクトスに差し返された所がポイント。スプリングSエポカドーロと並んだ時のフワッとしたステルヴィオの挙動と被る。カナロアにファルブラヴというのも全く同じで、量を持った感じの馬で強そうに見えるけど本質は全然というパターンの馬かなと。条件戦は量でこなせていたけれど本物の舞台に出てくるとこうなるという事。Sの不振?とも思っていたが個人的にはLが本質で弾かれているという結論で。