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有馬記念;予想

2019.12.22 有馬記念
中山芝2500 16頭
馬場はそこまで重くなくて内前も悪くない。内外はフラット気味で展開次第かな。

 

【個別分析】
❶スカーレットカラー(ヴィクトワールピサ×ウォーエンブレム) CS SC
元々馬体が小さくパンチ力に欠ける精神力系という感じだったが、休み明けで出てきた今年の春のパールSあたりから馬が変わった。L条件でも走れるようになったし、激走後の苦の場面でも投げずに走ってこれるようになった。ずっと言ってきたが昨年の府中牝馬からのリスグラと同じイメージで、精神力系の馬が肉体面の成長によって強い精神力に身体が追いついて単純に強くなったというイメージで見ている。
前走は府中牝馬を追い込んで激走後の大幅延長という事でキツい場面ではあったが個体の成長を見て評価していた。結果4人気7着の凡走になったが、過剰人気している中で前目につけてしっかりレースに参加して勝ちに出て行っての0.6差。ラストは流石に反動と体力切れのような雰囲気でやめてしまっているが個人的には勝ちに出て行く時のグイグイ感は評価している。凡走でいい感じにストレス・疲労は抜けている。
そして今回だがまず中山2500の有馬記念という舞台で体力面の不安はある。だがそれは最内枠になった事で馬群に取り込めると思うのである程度は補えるかなと見ている。道中は中団の馬群の中でジッとして直線に向いた所で軽く仕掛けを遅らせて一気に追い出すイメージで差してこれるかなと思う。Sが強い爆発力系では無いので延長でがっつり追い込みに回ったりするとちょっとキツいかなと思う。強い馬なのにずっと過小評価されており、今回も人気以上の期待値はある。紐で面白い。

 

❷スワーヴリチャード(ハーツクライ×Unbridled’s Song) L(S)体力
前走は延長で位置取りを掛けながら体力で押し切ったレース。Sで弾けた感じではなく、かなり体力寄りのレースになったのを他馬が苦にしている中で相対的に適性があって押し切れたというイメージ。この馬単体の走りとしては宝塚記念の0.8差の3着と同じ雰囲気。その宝塚で最後さらに伸びているリスグラとの差、そしてキセキを交わせなかった所がこの馬の現状だと思う。
よく言われているハーツクライ産駒の激走後で反動というのも臨戦的にもちろんあるが、まずキセキとリスグラが走れる状態だったらポテンシャル的に勝てないと思っている。その2頭がどちらも海外帰りで不安点はあるが、だからと言ってこのメンバー相手にこの臨戦のこの馬は評価出来ない。

 

❸エタリオウ(ステイゴールド×Cactus Ridge) LC量
近走の均衡感から考えると前走先行出来たのは良かった。馬体をがっつり減らしているのに体力寄りのレースで先行してしまったのでラストはかなりキツかったと思う。垂れ方が結構あっさりしており、行けるけど行かないLっぽい凡走と見ている。先行した事が活性にはなっているだろうが、だからと言って本質の部分の強さはずっと見えてきていない。日経賞の時から感じている物足りなさはそのまま。Sを感じない。
蓄積疲労・ストレスは無く、走ってもいいタイミングではあるが、今の状態では差して来れるイメージは湧かない。逃げる事によってLとか量に頼ってかなり気分良く行ければそこそこは走れるようなイメージ。

 

❹スティッフェリオ(ステイゴールド×Mtoto) CM CL
小回りで内枠で悪くないタイミングではあるのだががっつりG1のこのメンバーに入るとやはり札幌記念の5着が天井としてずっとある。完璧な臨戦と完璧な乗り方で5着だったのが限界。
走れるタイミングなので別に逃げなくてもそこそこは頑張ると思うが良くても掲示板というポテンシャル。

 

❺フィエールマン(ディープインパクト×Green Tune) M(C)
まとまりベースでCの補完が結構あるタイプ。Cに振れる分が大きくなるとアルアインで、まとまりに振れるとこの馬というようなイメージ。
前走の凡走はがっつり体力を必要とされてのもので仕方ないとは思う。ただそこそこの衝撃で、ディープのリズム的には同じくCっぽさのあるディープ産駒としてマカヒキ凱旋門賞で大敗してからリズムを崩したのと被る。いい意味でLに振れていないのでクルっと巻き返すイメージはあまり無く、海外帰り初戦のここは不安がある。鮮度依存度も多少はある馬なので完全に鮮度が切れている今回は臨戦的にプラス面はほとんど無い。相手もそこそこ強いしキツい。

 

リスグラシュー(ハーツクライ×American Post) SC強
これはとんでもなく強いです。キツい展開で体力と底力を要求された宝塚記念でラストでグッと突き放した所がかなり強い。体力型のキセキとスワーヴはあのレースは向いていたしほぼ完璧に走っていたと見ているのでここは力の差が確実にある。前走のコックスプレートは後方から捲る形だったが完全に圧勝でこの馬の実力はもう疑いようが無いと思っている。
秋2戦目で蓄積疲労・ストレスはほとんど無く、唯一の不安点は海外帰りという部分のみ。個人的には初の有馬記念で初の2500という体力面の不安は体力寄りのレースだった宝塚記念での強さを見て全く気にしていない。延長で5〜6番手を取って正攻法で勝ちに出て行く競馬に力強く応えてくれるような芯の強さを持った馬だと思う。

 

❼ワールドプレミア(ディープインパクト×Acatenango) M
前走の勝ち方が内を突いたもので勝ちを拾った感がありあまり強く見えない。ただがっつり馬体を増やしていたり、ちょっと重さがありそうな感じがしたりしてまだまだ奥のあるタイプのディープ産駒という感じはしている。春のクラシックをパスしているのも生涯鮮度と生涯の蓄積疲労の観点から今後に向けては好感が持てて、ちょっと注意して見ていきたいと思っている。
前走3人気1着で一応ストレスを抱えてはいるのだが致命的な感じはしないし、それは鮮度で消せるレベル。内目の枠にも入って動きやすいし、個体のタイプも重めな感じなので有馬記念の舞台でも特に評価は下げなくていいと思う。個人的に同路線のヴェロックスとは明確に上下の差を付けるが「強さが見えない」からといって無理して消すことは無いかなと思う。

 

レイデオロ(キングカメハメハ×シンボリクリスエス) L
休み明けダウンのオールカマーで走って来れない時点でちょっともうキツい。前走は位置取りが悪かったし、体力を要求されて合っていなかったとは思うがだからと言って今回先行してもやはりキツい。

 

❾アーモンドアイ(ロードカナロア×サンデーサイレンス) LS量 強
ストレスとか疲労を極限まで抑えたローテと、苦手な条件でやっていないという理由と、あとは安田記念で出遅れ+短縮の苦を跳ね返して1着を取れなかったという事でこれまで「強さ」が見えないとして抗ってきた。ただハードルをちょっとだけ下げれば安田記念のあの苦条件で3を確保したのは十分強いという見方も出来るし、前走ラストの直線で内からグイッと加速して休み明けのダノンプレミアムをがっつり突き放した内容を見たらもう強いで良いんじゃないかとも思う。今回やっと本当に苦手かもしれない質のレースに出てきたのでMの法則で予想している以上、今回までは抗ってもいいのかもしれない。今回この条件で勝ち切るようならそれはもう本物だと思うが、そうなってから認めるのでは遅いような気もしている。タイプどうこう、臨戦どうこうではなく強い馬を強いと認めるかどうか。この時点であえてこの馬を認めるならしっかりした印を打つ必要があると個人的に思っている。押さえで端っこで引っ掛けて馬券が当たっても個人的には当たった気がしない。
これまで唯一弱さを見せたのが短縮でのスピード負けという部分だが今回は延長臨戦になるのでその部分では攻められない。スピードタイプのこの馬が走っても良い局面ではあって、あとは体力と底力がどこまでかという勝負。精神力に関しては、がっつり最内で中団の馬群で揉まれ込んだりすればキツいのだろうがこの馬にルメールが乗っている以上そんな事になる可能性は低いし、スピードをある程度出せている状態でその時点でエンジンが掛かっていれば多少の摩擦はこなせるというレベルだと思う。

 

➓サートゥルナーリア(ロードカナロア×スペシャルウィーク) LS量
前走は神戸新聞杯をL全開で楽に勝った後の短縮ペースアップの激戦。差しに回れば良かったのに強気に先行してしまい、それだけでキツいのに直線でダノンプレミアムとアエロリットに完全に挟まれてしまい相当キツかったと思う。それでも途中まではなんとかしぶとく粘っており、その部分は本質が見えたような印象でそこそこ評価出来る。最後は流石に垂れてしまった所を追い込み馬にさらわれたという形で実質4着くらいのイメージで良いかなと思う。Lだけの弱い馬ではない。
アーモンドアイと同じく天皇賞からの臨戦になるのだが、この馬は基本的にはアーモンドアイと似たようなLっぽいタイプで、どちらも重い質の有馬記念の条件がベストとは言えない。そうなるといくら鮮度があってもアーモンドアイより上の評価はしなくて良いと思うし、両方とも評価するようなレースでは無いと思う。この馬の事は前走の踏ん張りで認めているがここは評価しない。

 

⓫キセキ(ルーラーシップ×ディープインパクト) 体力LC(S)
フォア賞は4頭立てを逃げて3着、前走の凱旋門は出遅れて後方からになり最後は全くの手応えで大差がついての7着。フォア賞は相手がその後の凱旋門賞馬だったしどちらも仕方無いという評価でいいと思う。Lっぽい体力型で、Sに依存しているタイプでは無いので、リズムを掴めなくて大敗とか、何かを苦にして投げてしまって大敗というタイプではなく、負けているときは単純に体力やポテンシャルやレース質に対する適性で負けただけという見方でいいかなと思う。今回は海外帰りになるが凱旋門でがっつり強い馬相手に体力でも負けて相当苦を味わってからのダウンという見方で良いと思っている。一時期不振っぽくなったのは菊花賞の反動で一時的にリズムを崩していただけで、今回はそういう状態では無いので巻き返せるかなと見ている。
同脚質の馬が多くて逃げられなさそうだが、このメンバーに入れば体力では上位にいて、ある程度体力が要求されるこのレースではそこそこはまとめて来ると思う。外枠に入ったのもスムーズに走れていいかなと思う。前に行く馬達の中では安定勢力という扱い。この馬なりにしっかり走るけれど、リスグラとの勝負付けは宝塚で完全に済んでいるので2〜6着のどこかにいるかなというイメージ。

 

⓬クロコスミア(ステイゴールド×ボストンハーバー) CL
前走がベスト。逃げられたとしてもこのメンバー相手に自力でどうこう出来るCとかSがある馬ではない。ヴィクトリアMだけびっくりしたが、あくまで楽な条件の中でしぶとさのあるタイプの馬。

 

アルアイン(ディープインパクト×Essence of Dubai) CM
流石に前向きさが無くて状態的に厳しい。本当に良い馬だったのでなんとか無事に走り切ってもらえたら。最後に本質で大阪杯を買って、激走後となったその後の宝塚での4着が本当にこの馬の強さを表している。こんな良い馬がここまで負けるほど走らせるのはどうかと思う。もうエネルギーが残っている感じがしない。

 

⓮ヴェロックス(ジャスタウェイ×Monsun) CS
これはもう言われ尽くしていると思うが精神力系でしっかりした強さのある馬。神戸新聞杯は走れる場面ではなく寧ろ良い負け。前走は3000mの緩い流れで、1人気で自分より強い相手がいないという条件で全く集中出来ずにあっさり取りこぼし。秋2戦の走りの質が全くSとかCを感じさせるものではなく、実力を発揮出来ていない状態ながらもなんとかまとめてきているという見方でいいと思う。
そして今回自分より強い相手を見ながらの競馬が出来る場面で久々に本質の場面。もちろんストレス・疲労は無く万全の臨戦だろう。強い牝馬2頭相手にどこまでやれるか、そういうレースになるかなと思う。ベタだがこれはM的にしっかり評価しておく。皐月賞以上に本質で勝負出来る場面だと思う。

 

⓯アエロリット(クロフネ×ネオユニヴァース) SC体力
秋3戦目。毎日王冠は逃げて2人気2着で結構びっしり。秋天も逃げて6人気3着でこれも結構びっしり。蓄積疲労・ストレスともにしっかり抱えており普通なら余裕で危ない局面。まずストレスに関しては今回も逃げられればギリギリ消せる可能性がある。そしてこの2戦の走りがかなりしぶとくて、Cをかなり主張して走っているような感じで一時的な充実期っぽい。即消しはしなくていいと思う。距離の不安、秋2戦びっしりでの蓄積疲労とストレスの不安、と抱えるものをしっかり抱えているが逃げと精神面の充実期でなんとか持ちこたえる可能性はある。消すなら消すでOKだが乗り越える可能性がある事はしっかり考えておきたい。ここを余裕で投げて負けるような想定範囲内の馬なら既に前走でもう少し投げていると思う。

 

シュヴァルグラン(ハーツクライ×Machiavellian) M
これはもうキツいですね。Sが弱まっている。


【予想】
◎❻リスグラシュー
◯⓮ヴェロックス
▲❾アーモンドアイ
△⓫キセキ
×❶スカーレットカラー
×❼ワールドプレミア

【短評】
アーモンドアイはもう認めます。小回りで重めの冬の中山2500の舞台は確かにベストでは無いと思います。ただここを評価しなかった状態でこなされてしまうと今後ずっとこの馬の事を素直に評価できなくなると思いました。ここで重さを苦にして負けるようであればそこで個体の評価を下方修正すれば良くて、現状見せている弱点は短縮のスピードレースだけなのでそういう条件ではないここは素直に評価します。
ただ本命はそんなアーモンドアイとガチでやり合っても勝てるんじゃないかと思わせてくれる「強さ」を持っているリスグラシューで。期待してます!