【個別分析】
リバティアイランド LM
良い精神構造を持った所謂「良い馬」というよりは、パワーや体力、スピード等のフィジカル能力の優位性が大きい「強い馬」。ハイペースで体力要求の大きかった阪神JF、最後方からの大外一気でトップスピードの違いを見せつけた桜花賞、ほぼ全馬が大幅延長で体力の優位性がモロに出たオークス。どれもフィジカル面の優位性を使ったレース。
内回りの京都2000、多頭数のG1というタイトな条件に休み明け＋短縮で向かう今回、自身が熱されていない状態でレース強度が高くて厳しい所に出てくるので確実に精神力が求められる局面。
ただまだ同世代戦なので完成度の優位性はあるし、C要求があるから即切りとはいかない。勝つにしても簡単な条件ではないという見方で入りたい。
※道悪なら短縮の追走苦が軽くなるし、単純なフィジカル勝負に持ち込みやすいのでその場合は評価を下げない。
ハーパー CLM
フィジカル能力の不足を精神力で補っているタイプで、ここから成長して行けば、というイメージではあるが完成形になってもそこそこかなという印象。
アカイトリノムスメが、G1級ではないものの一定レベルの能力と無難な脚質と補完の精神力を全て活かして阪神20の秋華賞を凌ぎ勝ったイメージとなら重ねられる。
人気落ち＋内枠向きの個体で、オークス同様リバティが圧倒するレースでの着拾いなら問題なく可能。自力で一脚使ってリバティを差し切るような力強いタイプではない。
マスクトディーヴァ ？
1戦毎にパフォーマンスの質を上げて来ており、成長の途上にいるイメージなので現状では個体のタイプが掴み辛い。
トライアル激走後の格上げ戦で、リズムと鮮度で持っていけるか、壁に弾かれるかのピンかパーのタイミングではあるが、ピンがあると想定出来る事自体が1つの大きな魅力。
中途半端な実績馬を軟弱に買うよりはこういう痛烈さを持った馬のピンパーに振り切る方が爽やか。連続圧勝の勢いがあり、前走激走のストレスを消せるだけの鮮度も持っている。
コナコースト MSC
前向きさと精神力があるタイプで、スピード質の持続質戦でしぶとさを引き出したい。延長＋外枠のような懐の深さやスケール感を求められるような形は本質的には合っていない。ただなんとなくのまとまり感はあるのでそういうタイミングで大きく崩れない代わりに、ここぞという時の一押しも削がれて丸くなっているイメージ。
短縮と内回りという条件設定は良い。ベストではないが休み明けも問題はない。
もっと馬体をパワーアップさせてアメリカ質の筋肉ゴリゴリの先行競馬が出来るようになるのが理想かな。今のスケール感だとここでの先行一閃はまだパンチ不足かなと思うがどうか。
モリアーナ SL
前走の挙動の判断はまだ保留したいが、基本的には集中力がない一発屋で、中山や福島や小倉で突発的な位置取りショックを使って単発の激走をして来るイメージの馬。
まさに前走がそういう単発の激走っぽい一変で、格上げのG1でもう1発を期待出来るような所謂「良い馬」ではない。前走から本格化で連チャンと言われたらお手上げ。
ヒップホップソウル L
格上げや内枠が厳しい体力系のダウンホース。スピード能力も薄いので少頭数だとレース質が軽過ぎて取りこぼしてしまう。
前走がダウン＋道悪のベスト条件で、今回に向けては楽→苦の構図になる。
体力だけは世代間で水準クラスにはあるので差しに回ってのハイペース外雪崩込みの可能性は否定しない。
ドゥーラ CL
ダッシュ力とトップスピード能力が弱く、代わりに体力、パワー、精神力があるタイプ。短縮＜延長で、上がりの掛かるタフなレースに向かう形がベスト。
オークス激走の反動が出てもおかしくなかった前走で、馬体を減らしながらも捲って圧勝というのは精神面の充実を感じる。
本来は休み明けからいきなり全開というタイプではなく、休み明け2戦目で延長で多頭数のG1に内枠で向かうのは悪くない。
阪神マイルでの3戦はどれも位置取りが悪くノーカンでOK。1800以上に絞れば十分な実績があるのに人気落ちまで拾えるのは立ち位置的にもかなり恵まれている。
ラヴェル LS
本来はもっと馬体を増やしてスケール感を使いたい構成の馬なのに、どことなくナミュールっぽい小ささを抱えてしまっている事で馬自体がアンバランスな状態になっているイメージ。
揉まれずに体力で雪崩れ込む形がベスト。外枠は悪くないがここで勝負になるようなスケール感はない。
グランベルナデット L
同じ体力系でもラヴェルに足りないスケール感を持っているタイプだが、前走で単純に能力の不足を露呈。
基本的に前哨戦向きの個体なので、走らないといけない所を取りこぼしての本番は評価出来ない。
素直な体力系ダウンホースと見ているのでここで人気落ちでどうこう、という意外性もなさそう。
ドゥアイズ MCL
精神力補完のあるまとまり系で、ハーパーとドゥーラの中間くらいのイメージ。
休み明け＋短縮での多頭数G1というレース強度のハードルにはある程度対応出来そうではあるが、対応するのが精一杯かなというイメージ。ワンパンチ足りないかな。
マラキナイア MCL
決め手に欠けるタイプだが安定感と精神力があるので内枠で脚をためながらフィジカル面の不足を補う形がベスト。
決して強い馬ではないが、叩き2戦目で内枠替わり、リズムは崩していないのに人気落ちというのはかなり良い条件。
コンクシェル LS
体力の優位性を使って自身より弱い相手に押し切る形がベスト。
逃げられなかったとしても前走レベルの苦で崩れてしまうようだとG1では足りないという評価になる。
ソレイユヴィータ SL
コンクシェルと比べると体力より前向きさに寄っているタイプ。ただこれも前哨戦で崩れているようだと厳しい。
ストレスを抱えたとしてもミッキーチャームのように連続好走のリズムで来ている方がベター。
ピピオラ
悪くはないが少頭数の条件戦からだとレース質のギャップがキツい。そういうアップ質の所で味が出ないとも言わないが物足りないかな。
緩い所を連勝中なのでタイプは保留。
【評価】
◎リバティアイランド
◯ドゥーラ
良馬場ならマスクトディーヴァの単複で勝負したかったですが稍重想定で◎リバティアイランドで。
