【個別分析】
①ベステンダンク LS OP
2走前の洛陽Sで外枠から逃げられていないように挙動がかなり重くなっていてズブい。前走は道悪+単騎の楽逃げで大きく恵まれての4着で、内容的には特に評価していない。高齢馬の休み明けで逃げに期待を持ちたくなるが、良馬場でベレヌス等に絡まれながらの持続質戦ではもう戦えないと見ている。
②ミスニューヨーク LS G3
牝馬にしては体力が豊富で、一瞬のキレではなく大味な体力差しの形で弱い相手や体力面で劣る牝馬を相手に飲み込んでいくタイプの馬。マイルG1からのダウンというタイミングはかなり良いが、牡馬のOPクラスの馬が揃った多頭数のレースで飲み込めるイメージは薄い。イン差しの実績はあるが本質的にそういうキレ差しのタイプではない。
③コルテジア CL ?
シンザン記念の挙動がボヤッとしているが次のきさらぎ賞でグッと力強さを増して来ている。そのきさらぎを激走した後の皐月賞でインで投げる事なくしぶとく7着。ここまでの挙動的には叩き良化型の精神力系。ただ生粋のCSという事はなく、ちょっとボヤッとしたCLのイメージが強い。叩き2戦目で多頭数の内枠、強すぎない相手というのはこの馬にとってほぼベストの条件という判断で良いが、個人的にはもう少し前向きな状態までリズムを戻してからの方がベターな印象。簡単に激変するタイプではない。今回については来ても3着までのイメージでどうか。
④ダブルシャープ LS OP
鮮度のある状態での挑戦だった昨年の同レースで4人気4着、直後のダウン短縮で2人気2着と、この辺りで能力の上限は見せている。3走前の小倉大賞典では得意舞台にも関わらずその前走のOP勝ちのストレスで普通に凡走。ストレス耐性も低いし能力も高くない馬が前走またしてもOPで中途半端に走ってストレスを抱えた状態で迎える今回、厳しい。
⑤カイザーミノル MC G3
精神力があってそれなりに良い馬。ただスピードにしても体力にしても、重賞で自力で勝ち切れるレベルには達していない。精神構造がしっかりしているがこじんまりしているG3格のMC系というイメージ。能力的に通用して良い相手関係だし枠もベスト。小回りの2ターンも問題ないタイプ。ただ前走地味に頑張ったストレスは明確にあって、鮮度も薄いのでこのストレスは地味に響くと思うが。
⑥アーデントリー LC OP
4走前の激変の要因がはっきりとは掴めていないが、挙動的には苦→楽の開放感で精神力を発揮して来るタイプの雰囲気。1年以上の休み明けの前走でマイルを使った事によって、今回の延長非根幹替わりというのが1つの開放の仕掛けになる可能性はある。雲を掴みに行くようなフワッとした感覚だが、他に良い選択肢がないのであればこの馬の激変に期待するのも無しではない。
⑦スーパーフェザー LS OP
これと言った特徴はない体力差しタイプで、少頭数の準OPを外から差して勝つのがやっとというレベルの馬。布石のない状態でアップで多頭数の中枠に入って何かが出来る質の馬ではない。
⑧モズナガレボシ LS OP
体力がずっしりと重くて動かし切れていない。道悪+少頭数だった昨年はその重さを活かして外から雪崩れ込んだが今年のリズムでフラットな良馬場では動けない。
⑨ワールドウインズ L OP
緩い体力系。2走前に短距離ダートを使った経験を活かして前走位置を取ったが、結局直線ではいつも通りのダラダラとした体力差しの挙動。前走のVラインを活力故という捉え方はしたくない。単純に緩いL系がアップで苦しむという構図をイメージ。
⑩シャーレイポピー S OP
軽さとスピードと先行脚質を活かしてOP入りしたが後ろ支えの体力や精神構造はあまり感じられない。開幕週とか少頭数のような軽いレース質ならOPでもなんとかやれるかもしれないが基本的には強くない。今回仮に逃げたとしても足りないと見ている。
⑪カテドラル LS G3
前走のG1凡走は気にならないが、個人的に3走前の東京新聞杯で何もしなかったのが引っかかる。馬の活力が薄れているようなイメージ。加齢によって前向きさも失われて来ているので今はマイルで追走スピードを求められるよりもフッと息の入る1800の方が走りやすい。昨年より1枚も2枚もリズム(活力)を落としている点は気になるが、タイプ的にはダウン延長万歳というL系で、走るなら休み明けかこのタイミング。
⑫ヴァリアメンテ LS OP
逆瀬川Sは外バイアスのイン、サンタSは4角で外に膨れる不利、という事でこの2つは酌量の余地がある。基本的に体力外差しタイプのLS系で、休み明けも良いのでストークSで順当に準OP勝ち。そして前走はタイプ通りアップで内で揉まれて苦を味わって凡走。凡走後の外枠替わりは良いのだが、単純に再アップがキツくないか。
⑬カデナ LS OP〜G3
それなりに走るとは思うががっつりの外差しの展開利に乗らないと厳しい。自力で展開を無視して差し込んで来れるほどのSの強さではない。
⑭ベレヌス SL OP
前提として強くはないし精神構造も脆いタイプで、OP入りしてすぐの京都大賞典で見事に惨敗、不振期に入ってリズムを崩してしまっていた。そこから約1年かけてジワジワとリズムを戻しながらの再度の重賞挑戦というタイミングはこの馬にとってはかなり良い。ただここでテンのスピードで勝っているべステンダンクが最内に入り自身は外枠。上昇リズムを活かしてゴリ押しして良いタイミングだが陣営のコメントと鞍上的に無理には行かなさそう。ここで控えて良さが出る質の馬ではない。パンチが効いている馬なので面白いタイミングだったが評価するとしても紐止まりになる。
⑮ファルコニア ML OP〜G3
マイルでも好位を取れる脚質で、スピード質でも体力質でもある程度まとめられる能力はありながらも自力で勝ち切る為のS質に欠けるタイプ。前提として1番人気の立場で自ら動いてしっかり脚を使って圧倒出来るような質の馬ではないので基本的には評価を下げたいタイミング。ただ昨年の18エプソム好走→延長20小倉記念凡走→ダウン18カシオペア1着の流れが見事にダウン非根幹向きの挙動。このメンバーに入れば能力自体足りていない事はないので非根幹向きの精神構造で連対まで持って来れるかどうか。
⑯レインボーフラッグ LS OP
前走のスタート後の前向きさは一見の価値こそあったが垂れ方が残念。1200からの延長になるがスピードだけで押し切れるレース質ではない。ある程度の体力も要求されて来る総合力戦になるので前走の挙動1発だけでは評価出来ない。
【評価】
◎ベレヌス
◯ファルコニア
▲コルテジア
☆アーデントリー
内から前に行くべステンダンクとコルテジア、その外にベレヌス。
べステンはキツい想定なのでここが垂れれば残り2頭は負荷が軽減されて割と楽に走れるという想定。2頭の序列については巻き返し幅に疑問の残るコルテジアではなく、リズムを上げて来たS系のベレヌスをスムースに上位に評価。
無難な位置からの軽い差し競馬で圏内はキープして来そうなファルコニアを挟む形で。
ピンパー覚悟ですがベレヌスの単複が本線。3連複を買うなら5番手でミスニューヨークまで一応。