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2022 ヴィクトリアマイル 予想 

【個別分析】

①デアリングタクト LS量 G1

莫大な肉体の完成度を武器に無敗の3冠を達成。3歳時は駆動も一流で全体的なスケール感が大きかった。3歳時SLだったバランスが昨春時点ではLSへのシフトが起こっていたようなイメージで、駆動が弱まっていた点は若干気になる。そのあたりの煮え切らなさが金鯱賞差し届かずからのQE3着の内容で、躍動感が明らかに落ちていた。使い詰めるのはあまり良くないタイプで寧ろ休み明けベター。体力面の充電は十分なのでエネルギーの出力のレベル次第では頭まで来られても全く不思議はない。昨春のSの枯れ感がここでどっちに転んでいるか。

 

②ソングライン LS G2.5

軽さと前向きさを持っているタイプで、心身のタフさという要素からは対極にある。スピード勝負+弱い相手向きの馬というイメージ。阪神カップの凡走は右回りとか荒れた馬場という点に敗因を求めるのではなく、この馬の化けの皮が剥がれたという認識がしっくり来る。完全に掴み切れている訳ではないが、あまり良い馬だと思わないという感覚に委ねてここは切ってみたい。

 

③メイショウミモザ S OP〜G3

強い駆動で元々の能力以上(肉体を凌駕するような)のパフォーマンスを出して来るエネルギー主導タイプ。連チャンの可能性を見ても良い内容と個体ではあるが、そもそも重賞で安定して活躍出来るような馬質ではないというのは前提として持っておくべき。あくまでOPクラスの地力を瞬間のエネルギーで跳ね上げて来ている馬。

 

④マジックキャッスル CM G2

良い精神構造を持っているというのがまずこの馬の特徴。秋華賞10人気2着の激走の後の愛知杯1→阪神牝馬2→VM3がとても良い内容。決して体力に頼る事なく、あくまで精神主導で、肉体が精神に追いついて来れる時は好走出来るというタイプ。調整が難しいらしく、そのあたりが近走の凡走に出てしまっていたが、前走で久しぶりに躍動感のある姿が見られたので肉体面は問題なしと判断、前哨戦を叩いた後の本番という事でスムースに評価してみる。格上げでレースの圧の中に入っていっても耐えられるのはこういうタイプ。エネルギーを燃やして走るタイプではないので加齢は問題ない。リピートする資質はある。

 

⑤ソダシ LS G3

牝馬の中では肉体面の完成度が高く、弱い相手に対して自身のフィジカルをパワーと脚質で押していくタイプ。桜花賞時点から前向きさというよりは肉体の完成度主導というイメージで、近走徐々に駆動が弱まっている。前走はG1とは言え超前残りのかなり軽い質のダート戦で、この馬にとっては最大限楽に走れたという内容。今は思い切り逃げて突き抜けるほどの前向きな雰囲気もないし、元々強い相手に対して苦の状況でどうこう出来るタイプではない。基本的には楽→苦というイメージで良い。

 

⑥ディヴィーナ M OP〜G3

2走前の内容が苦の状況を打破しようとするような激走タイプの挙動ではなく、あくまで自身の能力の範疇で綺麗にまとめるタイプのもの。前走接戦勝ちのストレスは鮮度で相殺出来るが能力の壁がキツい。

 

⑦レシステンシア CS   G1

この馬のハイパフォーマンスはどれも間隔を詰めた2,3戦目。肉体ではなく精神主導で走っている馬で、休み明け馬体増のタイミングでの体力合戦のようなレースよりは、叩いて間隔を詰めて絞って集中して来る場面の方が走れる。前走のラストの挙動はハイペースでバテたというよりも、集中し切れずにラストで踏ん張りが効かなかったというイメージで見ている。昨年の高松宮好走→VM凡走というパターンが綺麗に入れ替わるのはアリだし、そもそもその想定で前走消している。精神力の要求という意味では安田記念の方がベターではあるが、昨年凡走している臨戦で再挑戦して来る陣営の心意気とそもそもの馬質を評価したい。

 

⑧クリノプレミアム L G3

体力の優位性で飲み込むのがこの馬の本質。短縮で後方からになり強い駆動を要求された京都牝馬で投げ、延長外枠替わりで差し決着の中山牝馬を1着。リズムは良いが格上げと短縮が合わない。寧ろここをスピード負けした後の道悪宝塚の方が期待は持てる。

 

⑨アブレイズ LC OP〜G3

駆動が弱いが割と真面目なタイプではある。クリノプレミアムより若干精神力があるがパンチはより弱い。

 

⑩ローザノワール LS OP

前向きさはあるが能力が足りない。自身より弱い相手に対して体力と脚質と駆動で押し切りたいタイプ。

 

⑪ファインルージュ MSC G2

派手さはないが堅実で良質なタイプ。前走の内容が休み明けから全開というものではなく、馬体増の影響もあってか重い印象。あの内容で8割程度のパフォーマンスとして、自身で今回に向けて上げ幅を持っているというのは良い材料。前哨戦1人気2着で「能力の証明、リズム、ストレス薄」という3つの要素を明確に持っており、無難に評価出来るタイミング。

 

⑫ミスニューヨーク LS   G3

ベースに重い体力があって、なんとか駆動させているが8〜9割しか動かし切れていないというタイプ。とにかく重い体力が蓋をしているので自身でパフォーマンスを上下させるのは難しい。差しに回ったショックでの跳ね感というのも他馬に比べると弱い。自身は常に一定のパフォーマンスをして、レース質と体力要求度に合わせて着順が上下するようなイメージの馬。体力要求のあるレースでは人気に関係なく好走出来るというのが秋華賞の16人気5着。今回はよっぽどの展開破綻がないと厳しい。これを取るならアカイイト、テルツェットあたりまで取らないといけなくなるのでそういうレース質を想定すると焦点が絞れなくなる。

 

⑬レイパパレ M G2.5

前で走っている馬を差そうとする力強さはなく、とにかく前目で「差さないでお願い」という競馬になってしまう。香港カップで格上相手に馬群からの競馬となったが手も足も出ずというのが現状のこの馬の姿。

 

アカイイト LC   G3

体力主導で精神力の補完があるので、タフなレースで他馬が苦を感じている所でもこの馬は優位性を持って走って来れるというイメージ。道悪が残って明確に短縮差しに優位性が出て来るようなタフなレースなら出番はあるが、競走馬としての総合力を問われるマイルは本質の舞台ではない。

 

⑮アンドヴァラナウト SM G2.5

基本的に安定して駆動は効いているが能力と精神構造がセカンドクラスというタイプ。愛知杯の凡走は、秋華賞までの一連の流れの疲労と大幅馬体増で整合性の取れる凡走。牝馬なのでこういう凡走はあまり気にしなくて良い。愛知杯の凡走にマイナス点を見出そうとするよりは、前走無難に前哨戦で先行して連対して来たリズムを今回は活かせると見た方がベター。ストレスのない状態で格上げで軽く差しに回る形で、ベタに紐での期待は持てる。

 

⑯デゼル LC   G2.5

CLで取っても良いくらい精神構造はしっかりしていて、比較的良質な部類ではある。この馬の難点は前傾ラップのようなS質の要求に応えられない事。単調な中京2000あたりでダラっと真面目に差して来るのがこの馬の本質。その点でVMというのは合っていない舞台だが、逆にハイペースで前が崩れる展開になれば他馬とは一線を画した位置で楽に運んでいたこの馬の外差しに出番は来る。展開次第で紐穴になれる資質はある。

 

⑰シャドウディーヴァ S   G2.5

府中牝馬で見せた内容はとても良い。あれこそ強い駆動が肉体の限界を上回った時の挙動。ただ改めて見るとそこで負かした相手がマルターズディオサとアンドラステという事でセカンドクラス感は否めない。サラキアは同じ府中牝馬からエリ女→有馬と突き抜けるエネルギーを見せたがこの馬はそこまでではない。前走の内容的にもリズムが切れている雰囲気だし、もういいかな、というのが本音。

 

⑱テルツェット SL G3

ダウンで精神的な楽を引きながら破壊力を出して来るタイプで、精神構造は良くない。5人気3着だがこの馬は前走でしっかりやれる分だけ走り切っている。今回に向けて上げ幅は持っていない。やるなら展開破綻待ちの追い込みのみ。レーンへの乗り替わりで位置を取りに行ったりしてしまうと馬質的に耐えられない。

 

 

【評価】

◎レシステンシア

◯マジックキャッスル

▲ファインルージュ

 

絞れていれば文句なしだが。