2020 エリザベス女王杯 予想
阪神芝2200 18頭
開幕2週目。土曜にレコードが出ており高速馬場。内前で速い時計に対応出来る馬が有利。
【個別分析】
①シャドウディーヴァ SM(C)
ここ2走リズムを戻しており前向きさがある状態。状態が悪くないのにナメられた立場の内枠というのはかなり合うと思う。昨年のエリ女以来の2000m以上のレースになり距離鮮度が高いので流れに対して新鮮さは感じられそうだが活性に欠けるのが今の速い馬場だとちょっと良くない。連チャンではないのでもう一発グイグイ感のある差しが出来る雰囲気ではないし、字面通り延長で前に行ったとしても前は圧が強いのでちょっと難しいかな。
②サムシングジャスト SC SMC
条件戦を勝ち上がった時のパフォーマンスがとても良く、C質を持った良い馬だと思う。クイーンSは怪我明けで叩きみたいなものなので気にしなくてOK。良いSと良いCがあって量もあるのでどんなレースでも能力を発揮出来る強みがある。器用なんだけど力強いというイメージ。4走前が条件戦でまだ鮮度があり、まだ底を見せていない馬がベストな枠で引き続き人気がない。これは期待も込みで評価して良いタイミング。内突きをするとの事なので出来るだけ勝負出来る位置にはいてもらいたい。
③リュヌルージュ CM
C系で負ける所でもそこまで負けないし、休み明けもこなせる良い馬。今回は休み明けでリフレッシュされていて活力はあるタイミング。枠も良いし個体としては完全に狙えるタイミングなのだがスピードとか瞬発力には欠けるのでこの馬場でゆったり流れてしまうと最後はスピード負けしてしまうイメージ。活力を活かして強気に動いてレースを持続質の方に傾けられればチャンスはある。
④ソフトフルート CL
この馬は前走でかなり出し切っている。普通の9人気3着よりも大きなエネルギーを使っての9人気3着。2走前が条件戦で鮮度があるので字面的には今回までは買えるのだが個人的には前走の頑張り感がどうしても気になる。パフォーマンスを上げてくる事は考え辛く、頑張った後に古馬G1への格上げ延長というキツい臨戦でさらにスピードまで求められるとなるとちょっと流石に苦が多いかなと思う。
⑤リアアメリア LM
いくらキツかったとはいえ前走はもう少しかっこつけて欲しかったが、楽→苦のタイミングで格上げで内回りのG1で強い流れの中を先行してと酌量の余地はなくはない。今回は大幅に人気が落ちていて前走から比べるとかなり楽な立場で走れるというのはかなりのプラス要素。人気から解放されているので色んな選択肢を持っていて軽く差しに回っても逃げても開放感で跳ねられる可能性がある。オークスでの跳ねと、ローズのように能力を発揮できた時の「姿」は持っている馬なので今回のようにカードとか武器があればG1という舞台で好走出来る資格はあると思う。
⑥ノームコア M(CL)
常に安定感はあるが自分の力で何かを打破していくような挙動はない馬で他が崩れれば相対的に着順を上げる。昨年のVMと富士Sも勝ってはいるが個体にグイグイ感がある訳ではなく、「プリモシーンさん、レイエンダさん、意外と大した事ないんですね〜」というような相対的なパフォーマンスだった。常に自分の能力分しか走らないのとしぶとさはあるのでがっつり反動が出るタイプではない。今回もこの馬なりの走りをしてあとは他馬がどんな様子かというイメージで良い。高いクラスでのマイルの経験があるので今の馬場は向いている。ただのダウンホースだとも思わないし無理に評価を下げなくて良いと思う。
⑦ロサグラウカ SL(C)
体力としぶとさがある馬だが近走はリズムを崩している。ブリンカー着用と逃げのショックで変わる事が出来ればタイプ的には合っていると思う。陣営も逃げを示唆しておりポテ証明がないのだけが不安だが穴としてギャンブル的面白さはあると思う。
⑧センテリュオ LC
前走が流石にスロー過ぎて格上げ頭数増の今回に向けてはどうしても楽→苦になってしまう。ディープとして、牝馬としてリズムがあるのは良いがこの楽→苦を跳ね返すならもっとSっぽさが欲しい。
⑨ウインマイティー SMC
ここ2戦は人気負け。前走1.3秒負けているが投げている訳ではなく前向きに頑張ろうとはしていたので気にする必要はない。人気が落ちるここは個体としては評価するタイミングで良い。ただ格上げで延長で普通に前に行ってしまうとそれはそれで圧力は掛かるので楽は出来ない。本当はデアリングタクトのような強力な馬が後ろで構えている時に前に行ってプレッシャーから外れた所でスコンというタイプ。
⑩カーロバンビーナ L
完全初重賞のディープだが流石にこれは足りない。
⑪ラヴズオンリーユー LC
戦績的にはがっかり感が拭えないがその印象よりは馬は一応しぶとさを持って頑張ろうとしている。鮮度を失って跳ね感がなくなり、量ももう失っているので鳴尾記念のようなレベルの低い舞台で本質を出してしまうくらいの立ち位置になってしまった。G1で再び返り咲けるような資質はもう持っていないと見て良いと思う。
重馬場での凡走後で軽い所への延長になり個体としては良い臨戦で来ているとは思うが跳ねられるか？となると疑問。
⑫ウインマリリン SM
これは前走が休み明けで動けないタイミングだったのを考慮しても負け過ぎ。春の好パフォーマンスがある程度Sに依存してのものだったのでそういうリズムを持った状態にならないと手は出せない。あとパワータイプなので速い馬場もあまり良くない。
⑬サラキア L(S)
これもセンテリュオと同様にリズムを持ったディープ牝馬。Sの後押しが強い状況なので勢いという意味ではセンテリュオよりこっちの方が面白いと思う。唯一の連勝馬で今の勢いならと期待を持ってしまうが、この馬はしっかり投げてしまう姿を見せており、格上げでG1となって本質を求められるとそういう脆い部分が露呈してしまうイメージ。血統的にも挙動的にももっとSに寄っていた方がこのタイミングは買いやすかった。
⑭サトノガーネット M
常に自分の分の上がりは使ってくる馬でカデナと似ている。前が崩れるようならその分着順を上げてくる。前走の新潟記念はスローからの瞬発力戦で異常な上がりが出ておりレース自体が特殊なので単純に上がりのスピードのみを評価とかはしない方が良い。今回はそこまで展開が厳しくなることもないし差し届かずで良い。
⑮ウラヌスチャーム S(LC)
リズムを掴んで走れた時は高いパフォーマンスを見せている。前走の勝ちっぷりがちょっと異質で不気味だが、今の高速馬場への臨戦はその中身がスピード要求のある実質短縮のイメージなので、延長質で自身のペースを掴むというパターンからは外れる。(実質)短縮で格上げで楽→苦という論理でぶった切って良いと思う。
⑯ミスニューヨーク SMC
精神力もない訳ではないし前向きさもあって悪い馬ではないと思うがそれ以上の評価も出来ない。前走の字面のVラインも本当のVラインとは思っていないし単純に能力がワンランク足りていないと思う。セカンドクラス、サードクラスのSC系のイメージ。良い馬だとは思っています。
⑰エスポワール SMC
フアナの叔母にあたる馬でこの馬の母であるスカーレットという馬はアドミラブルも出しておりずっと注目している。安定感のあるオルフェ産駒でラッキーライラックと似ているがこっちの方がSとかCが若干表に出ている感じ。福島牝馬は激走後の大幅馬体減で酌量の余地があり、それを除いて見ればずっと安定して良いパフォーマンスは見せている。4番人気以下になった事がない馬がリズムも挙動も悪くないのに今回大幅に人気を落としておりこれは個体としては跳ねられるタイミング。こういうまとまり感のあるタイプにベストなショックである人気落ち。ウラヌスと同じ実質短縮になる高速馬場への臨戦になるがこっちはマイルや1800の重賞で実績があるのとやはりなにより人気落ちが魅力。枠は内の方が確実に良かったがこれは評価しておきたいかな。
⑱ラッキーライラック M(C)
改めてこの馬の挙動を見てみた。昨年のエリ女はスミヨン＋差しという大きなSの付加があったので一旦置いておく。中山記念と札幌記念はC系の休み明けのボヤけと見れるようなパフォーマンスだがこの馬はなんだかんだ走っていると思う。C系というほどフワッとした挙動がないし、人気の立場でなんの恩恵も受けずに真っ向から勝負しに行った所を他の馬にやられてしまっているだけ。大阪杯は併せ馬でグッと出てくる所に若干のC質を見せているが少頭数だったしクロノとはスピード活性の差があるのでこの馬が強いという個体評価には繋がらない。
オルフェ産駒の中ではLを保有していて安定感があるが、LにもSにもCにも振れていないので結局まとまり系で見るのが良いかなという結論に至っている。
札幌記念が重くも軽くもない中途半端なレースだったのでタフさの経験とかスピードの活性のような何かを持ってくる事は出来ない臨戦。1人気3着後でストレスは別にないので動けるとは思うがプラスになる要素が一切ない中でまた1番人気で大外枠からどのくらいの事が出来るのか。これは個体評価低めの相対的評価で良い。
【予想】
◎⑤リアアメリア
△②サムシングジャスト
△⑰エスポワール
△⑥ノームコア
△⑱ラッキーライラック
×③リュヌルージュ
サムシングジャストは個体に大きな魅力を感じていて本命を考えましたが前走重い所を走っているというのがあってどうしても今回のスピードに対してギャップがあるので評価を目一杯に上げる事が出来ませんでした。
対してリアアメリアは評価を下げるポイントが一切なかったのでそれであればという事で本命に押し上げた形です。自分の予想スタイルと好み的にはサムシングでしたがここは冷静にという事で。
エスポワールは枠が良くないのとサムシングと同じで前走が重かったというマイナス点で評価はここまで。
ノームコアとラッキーは個体を良いとか強いと評価している訳でもないし今回に向けてオプションを持っている訳でもないですが、かと言って評価を下げる要素もそんなにないので単純に能力でこの位置で。
リュヌルージュは一応。
