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2023 中山記念 回顧

【評価】

◎ソーヴァリアント

▲ラーグルフ

 

1着が8ヶ月の休み明け。2,3着はリズム持ちだが2000mからの短縮馬が人気以上の好走。

3着馬に関しては少頭数の東京2000OPからで、その前も少頭数の条件戦という臨戦過程。

序盤のペースが上がりにくいコース設定と少(中)頭数という条件によって単調さも内包したレース質に。

 

 

1着:ヒシイグアス

状態面を懸念してスルーしたが見事に馬質通りのパフォーマンス。

G1では少し足りない、G1.5級ど真ん中の個体イメージ。

若干破綻気味のレースで、無難にスマートに掻っ攫われたという印象。

 

 

 

2着:ラーグルフ

チャート的に能力値としては上回れていない相手とのレースだったが、自身の充実度から来る「凡走しない」リズムを武器に、破綻質のレースで上位に浮上した形。

この馬自身は凡走しないタイミングだったが、この人気なので他の上位陣に無難に走られてしまっていれば8人気4着は全然あり得た。

外をスムーズに走れたという事も加味して能力的にワンパンチ足りないという評価は据え置き。

ただし今がこの馬のキャリアハイになりそうな充実期で、このリズムの中で次走の大阪杯でどこまで戦えるか。

 

 

 

3着:ドーブネ

この馬でこの短縮+格上げは無理だろうという判断は自分自身のレース質の把握の甘さ。

能力値的には足りていない馬だったが、前に行けば残れるという単調なレース質に上手く乗っての好走。

レース質とは関係なく自身のリズムで好走して来たラーグルフとは違って、こちらは外的要因の助けを受けての好走なのでこの後は苦しそう。

東京や中京のような広くて単調なコースで、自身より弱い相手に対して無難に格好つける個体イメージ。

 

 

 

4着:シュネルマイスター

22マイルCS5着の時よりも前向きさを感じる挙動。

直線で詰まる不利は残念だったが、5歳シーズンでの巻き返しを期待させる1戦だった。

マイルG1のように完成度とスピードと精神力を求められる、弱い馬が好走出来ないような強度の高いレースで差しを決める形で。

 

 

 

5着:スタニングローズ

緩さのあるドーブネが逃げ残れる単調寄りのレースで最後の一押しが効かないのはこの馬らしさ。

こういうセカンドクラスのレースで一本調子に押し切るパワーっぽいタイプではなく、タフさや厳しさを問われる格上げ戦でこそという馬。

今回の先行しての3人気5着は良い凡走。次走格上げ+人気落ちで軽く差しに回ると跳ね感が出せる。

 

 

 

6着:リューベック

悪い馬ではないがまだワンパンチ足りない。

精神力と対応力はそれなりに持っているが、重賞でフィジカル面を問われると厳しい。前向きさとパワーが物足りない。

自身が人気になるような相手関係のレースなら無難にまとめられるという個体イメージ。

 

 

 

7着:ショウナンマグマ

セカンドクラス(以下)だが前向きさとパワーだけが突出しているタイプ。精神力、対応力、スピード、体力は弱い。

合わない条件ではまるで好走出来ないので人気を落としやすいタイプ。

スピードが足りないので道悪等のタフ馬場でパワー先行がハマれば人気薄でも激走可能。

 

 

 

8着:イルーシヴパンサー

ダッシュ力の弱い典型的なハーツクライ産駒が古馬になって成長して来たパターン。

前走から位置を取れるようになったのが大きい。

今回は不利が痛かったが今後への期待は持てる。延長や広いコース替わりでは無難に好走して来そう。

 

 

 

9着:ソーヴァリアント

過去2回のチャレンジCで対応力に頼って自身より弱い相手を派手に圧倒して来たタイプ。過剰人気になってまともに強い相手と戦う事で対応力のお釣りが切れて本質の脆さを露呈するというパターン。

個人的には状態面による凡走ではなく単純に底を見せた1人気9着という捉え方。今後は格下げ戦でまた対応力で賄えるレンジに入れば。

 

 

 

10着:モズベッロ

体力とパワーは豊富だがそれ以外の要素が弱くてかなりバランスが悪いタイプ。

とりあえず道悪でスピードの免除は欲しい。

 

 

 

11着:ダノンザキッド

スタート後に出ていかなかった昨年とは違う内容。

前向きに走る事は出来ていたが、昨秋の連続好走の疲労を抱えている状態で位置を取りに出て負荷を掛けてしまった事による凡走。それでも負け過ぎ感はあり、対応力をG2→G3へダウン。

対応力でこなすのではなく、強度の高いレースでパワーを使ってある種「無理やり」好走して来るという個体イメージ。

バランスの取れた良質な馬ではないので安定感を買ったりして無難に手を出すのは危ない印象。

 

 

 

 

冒頭に書いたレース質の話、各馬の個体イメージと好凡走の要因等、

馬券が当たった外れたとか馬券力云々の話よりも学びの多いレースでした。

 

チャートを使った個体分析は、あくまでそのレースに出走している各馬のキャラクターにある程度の見当をつけるためのものです。

これは個人的に抱いている感覚で、「ただでさえ不確実性だらけの競馬という世界の中で、「どんな馬か」ぐらいはなんとなく知った上で賭ける賭けないの判断に持っていきたい」という所から自分のタイプ分析自体が始まっています。

 

自分はレース質把握やそれに対する馬のチョイスの部分を肌感覚でラフに出来るレベルにはまだ到達していません。

あくまで勉強、鍛錬するスタンスで、今回のように1つの結果や事象から必要な学びを効果的に取り込んでいきたいものです。