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2022 宝塚記念 予想

 【個別分析】

オーソリティ M(CL) G2

荒々しさのない綺麗な優等生タイプで、精神力も体力も中途半端で結果的にまとまっている。

近2走は日本馬が走りやすいまとまり寄りのレース質で心身のタフさとか本当の意味での強さは問われていない。JCもそういうレースだった。今回はほぼスローにはならないし少なくともこの馬がここ1年で経験して来た中で最もタフで本質を問われる場面になる。有馬や春天で既に本質は露呈してしまっている。

 

②アフリカンゴールド CL   G2

Sの駆動ではなく強い精神力で重い体力を引っ張っているタイプ(状態)。かつては精神力がそこまで強くなく、よくあるLC系の体力型先行馬の域を出なかったが馬が完成系に近付いて明らかに挙動の内容が力強くなっている。精神力主導の状態なのでアップでも頭打ちにはなりづらく、体力が残っていれば文字通りしぶとく力強く残せるというイメージ。

前走の直線での垂れ方は、スタート直後に位置を取るために脚を使ってしまった分の体力ロスが響いてしまったという内容。逃げ切った後のレースでそういう苦を味わいながらも大きく投げ出す事なく頑張っているし、引き続き良い精神状態は保てている。セイウンコウセイもそうだったが高齢馬なので連続して高パフォーマンスを出すのは難しく、近走は地味に交互質になっている。今回は凡走後で体力の補完をしつつ、延長のタフなレースで体力と精神力をフルに活かせるタイミング。個体としての激走は明確にイメージ出来る。序盤はあまり焦らずにマイペースに運んで、3角手前くらいからパンサとタイトルを飲み込みにいくようなロンスパの形がベスト。

 

③メロディーレーン C   OP

肉体面の資質がほとんどなく、精神力のみで走っている。流石に足りない。

 

④エフフォーリア LC+ G1

改めて見ると皐月・ダービーの時からSではなくどっしりとした体力と強い精神力の駆動。秋天は数字上は高速決着のスピードレースだが、そういうスピード質のレースに対応したというよりは単に強い相手に対して体力と精神力と格で上回ってレース全体を支配したという印象。そして叩き2戦目で本質的に合っている体力舞台の有馬でフレッシュさも活かして1着。こっちがこの馬の本質。

前走の大阪杯、秋の2戦で頑張った分のエネルギー放出があったしマクロ的に見てやや苦しいタイミングで、事前に見解で出した通りあそこでも頭で来るとしたら壊れているレベルのSの強さになる。この馬は良くも悪くも重厚で、離れた前をがっつり差しに行くための強いSの駆動は持っていない。肉体の許容範囲を超えるような強い駆動で異次元の上がり最速を出すようなタイプではなく、4角で前を射程に捉えた状態での体力質のレースで真価を発揮するタイプである。今回は延長で体力質のレースに出て来るという事でタイプ的には明確に走りやすいタイミング。手を出しづらいタイミングではあるが個人的には今回走ると見ている。

 

⑤アイアンバローズ LS   G3

精神力がほとんどなく、緩いレースで軽く肉体を動かして来るタイプ。よほどの解放感がない限りG1は厳しい。

 

⑥タイトルホルダー SC(L) G1

古馬の長距離G1を勝てるレベルの体力を保有しながらも、弥生→皐月の好走及びダービーの凡走で見せているように中身は中距離型のSC系という異質な馬。

菊は同世代戦なのでそこまでではないが、特に春天の圧勝は体力系のズブズブのレースに参加すらせず、馬の造りの違いが如実に出たという形。今回は有馬の時と同様、自身のフィールドに近い舞台となるのでしっかりとレースに参加して本質を問われる事になる。春天の1.1秒差圧勝はSの連チャンに繋がるものではなく単に馬の造りの差が出ているだけという事で、苦の局面を打破する材料にはならないと見ている。その馬質でどこまで耐えるかというタイミング。

 

⑦デアリングタクト LS G2.5

かつてはもっとSが強くてSLイメージだったが昨年の金鯱賞からSの大幅な下降が見られる。L優位のバランスになった今なら休み明けは問題ないので前走の挙動は単純に物足りなく映る。残念だがもうほとんど終わったと見て良いかもしれない。ダウンでまとめられなくなったら厳しい。

 

⑧ステイフーリッシュ LC   G3

体力と精神力の駆動というタイプで力強さはない。ここ2走の連勝が2400m前後なら一定の評価も出来るが、3000m超えでサウジ芝G3、ドバイ芝G2となるとレース内容にもレースレベルにも高い評価は出来ない。国内のこのカテゴリーでは明確に頭打ちになっており、格上げ短縮で楽→苦の場面も相まって厳しい。

 

マイネルファンロン LC   G3

単調なレースではどうする事も出来ず投げ出し、タフな展開で浮上して来る体力系。ディープボンドやキングオブコージ等この馬と同じタフ系統の馬で上位のランクの馬がいるので厳しい。

 

⑩ヒシイグアス SM   G2

体力も精神力も高いレベルで保有しているが突き抜けた強さではない。良質な馬だが結果的にG1では最後の一押しに欠け、G2までならなんとか出来るというこじんまりしたタイプ。

香港では相手はあのラヴズだが道中のプレッシャーが段違いに楽だった中でもラストで差し返され、前走はアリーヴォにあっさり突き放されてしまっているあたりに物足りなさ、息苦しさを感じる。良い臨戦、良い鞍上で迎える今回、こういう一歩足りない馬が勝つ舞台という事を加味した上でも個人的に高い評価はしづらい。

 

⑪パンサラッサ L+S G2

G2以下では体力の豊富さやLの強さが量となって本質を隠して派手な圧勝が出来る。ただし本質的に精神力があるタイプではないし、G1で自力のみで勝ち切れるほどのS駆動の強さではない。

前走のドバイターフは圧勝するレベルならSの連チャンイメージも持てるが、あの接戦だと「なんとか凌ぎきった」という内容で単純に反動が気になる形。特にグランプリレースでは重荷となる蓄積疲労も抱えているし、接戦勝ちのストレスもある中で本質を問われるG1、なかなか厳しい。

 

⑫ウインマリリン S(SC)   G2

少し変わったタイプ表記。この馬は明確にSC質を保有しているが完成したSC系ではない。Sのリズムの中でポイントポイントでSCを引っ張り出してくるようなイメージの馬。Lが薄いのも特徴的で、そのせいで安定感が出ない。体力が薄いので好調時の軽い休み明け(2021オールカマー)がベストで、もう1パターンは単純にリズム良く調子を上げながらも疲労が薄いタイミング(2021日経賞)。今回はそのどちらにも当てはまらない。5〜6着の直後がアツい。

 

⑬アリーヴォ LS   G2.5

挙動に緩さがあって、あくまでダウン向きの体力系。これはヒシイグアスの香港の2着と同じで、仮に強い馬なら前走のゴール前の挙動は明確に物足りない。人気据え置きで再度漁夫の利狙いの差しに構えられるのは馬にとって負荷が軽減されるので楽だが、ここでもう1発があるほどの力強さは感じない。古馬の王道路線に乗れる質の馬ではないと見ている。

 

⑭キングオブコージ LC   G2

体力と精神力というタイプだが、この馬については異質なレベルで非根幹向きの精神構造の可能性を考えている。中日新聞杯は体力系の馬としては良い形の先行位置取りで、好位から難なく押し切れてもおかしくないメンバーレベル。そこで中途半端な挙動を見せた後のAJCCで明確にパフォーマンスの輪郭をくっきりさせて来ている。もちろんタフ差しの展開利もあったが、着差以上のあの変わり身は根幹・非根幹の部分の影響があるのかなと仮定出来る。今回この馬にとってはかなり良い形の条件替わりになる可能性がある。いくら非根幹向きでも自力で勝ち切れる能力レベルではないので展開の助けを得て3着に食い込めるかどうかというラインだが期待感は持っても良い。

 

⑮ディープボンド L++C   G1

体力の保有量は現役馬の中でトップ。それを突き動かす駆動の力が若干物足りないだけで、能力や質自体はかなり高次元。

前走1人気2着でまずストレス面は全く問題なし。長距離重賞を2つ好走した疲労については、タイトルホルダーはその疲労を自身の精神力で「耐える」場面だが、この馬の体力レベルならそもそもほぼ問題なしと取って良いと判断している。パンサラッサが逃げた有馬で5〜6番手を取れているように、意外と速いペースでもある程度位置を取る事が出来ている。今回他陣営が漁夫の利を狙うように差し展開に張ってきそうだが、この馬は前がタフなレースになると分かっていても尚がっつり出していける体力面の保証があるのは大きい。レースがタフになればなるほど強さを発揮出来るタイプでパンサラッサとの相性はかなり良い。大幅短縮の影響で仮に10番手からになったとしても捲る事も出来るタイプだし一定の評価はして良いと見ている。

 

⑯グロリアムンディ SM   G2〜

若駒時の芝での走りはスピードが足りなかっただけで内容や馬質自体は悪くない。ダート路線に来てスピードが問われなくなった途端の連勝で、その挙動がショックによって跳ね上げたものではなく、単純に舞台が自身の土俵に寄った事によっての好走。ダート2戦目で格上げ延長を前受けし、4角先頭でゴール前の競り合いも勝ち切るあたりの内容はかなり濃いし、直後の格上げ短縮でもリズムを崩さずに馬群でしっかりコントロールを効かせながらの勝ち切りととにかく文句のない内容。オープンまでの連勝は連チャンではなく馬質の範疇。

今回の条件について、延長にはなるがダートと芝の差、パンサラッサの存在によって追走スピードは前走より問われると想定。良質で力強い馬だが芝G1の舞台で追走苦を味わってしまうとそれをカバーするのはなかなか難しい。直線で上がりを使えるタイプではないので追い込んで来るイメージも湧かない。どれだけの位置を取って、どれだけ余力のある追走が出来て、ラストにどれだけ残せるかというレースになる。

 

⑰ギベオン LC   G3

駆動がかなり弱まっている体力系。今はレベルの低い所で惰性で雪崩れ込む形になる。足りない。

 

⑱ポタジェ MC   G1.5

個体能力はG2強クラスだが精神構造はG1でも十分やれる質の馬。休み明けのAJCCから叩きながらの3戦目で、格上げを前に行って押し切るというのは強い精神構造あってこその内容。この馬の良さを活かしながらG1を勝つための1つのまとまった臨戦過程としてかなり上手い。前走が完璧に決まった上限のラインで、基本的に前走以上の上げ幅はこの馬は持っていない。今回のレースレベルでもその精神構造で耐える事は出来るが、連勝して来るような力強さは持っていないと見ている。また毎日王冠AJCCのラストでモゴっとする挙動を見ると、かなり根幹距離向きの精神構造のような印象もある。仮に無難な枠に入っていたとしてもモゴりながら耐えて5〜6着というのがしっくり来る。

 

 

【評価】

◎ディープボンド

◯エフフォーリア

△アフリカンゴールド

△キングオブコージ

 

タフな宝塚記念をイメージ。有馬のワンツーでシクヨロ。
ディープボンドの単、エフフォーリアとの馬連