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2022 安田記念 予想

【個別分析】

①カフェファラオ CM   G1.5

前走の予想記事で書いた「体力が弱いのではなく体力に頼る事をしない馬質」という表現がしっくり来ている。精神構造的には安田記念という舞台でも問題ないが、出来るだけ苦の無い優しい条件で精神力を引き出してあげたいタイプ。芝のマイルG1というレースでまず揉まれない前目の位置をすんなり取れる事、追走スピードに苦しまない事、直線でタフな混戦に巻き込まれない事が必要になって来る。函館記念はコース形状というよりは、ハイペースの内枠で揉まれてそもそも苦を感じるレースになった事が凡走の原因になったと見ている。あれがスローですんなり番手を取れていれば走れていたという仮説。

 


②ヴァンドギャルド LM   G3

重くて体力主体でまとまっている。前走はパンサラッサが引っ張る体力レースで、そこに後方からの体力差しがハマった形。ドバイの1800からの短縮東京1600の安田記念というのは明確に短縮質でスピードを求められる。アーモンドアイですら遅れを取った条件。この馬は今は1800や2200が合いそう。

 


ロータスランド SL G3

近2走の内容はSCっぽいのだが本質は駆動が表に出た淡白な先行馬で、前走は連チャンのイメージで一時的に集中力が付加されたようなイメージで見るのが良いのかなと。前走で短縮+差しの位置取りまで決めた上での激走なので1つのパッケージとして完成している。マイル実績はあるが連チャンに期待するのであればスプリントでのもう1発の方がイメージはしやすい。完全に個体を掴み切れている感触はないが基本的には安田記念という舞台で自力で通用する馬質ではないと見ている。

 


④ダノンザキッド SL   G2

特定の競馬場でのトラウマ的な記憶の影響というのは個人的にあると思っていて、連チャンを終えた弥生賞を1つのきっかけに、皐月賞での投げ出しと前走の中山記念での投げ出しが全く同じ4角〜直線入り口のあたり。この馬の本質を見るのは昨秋の富士S2人気4着→マイルCS5人気3着の2戦に絞りたい。

大幅馬体増だった富士Sでゴール前で踏ん張りが効かずに凡走。ここが本質の体力系の馬なら次走G1での巻き返しは厳しいという中で、格上げで明らかに内容を上げてグランと0.2差の3着。基本的に重厚で重いタイプで、休み明けのトライアルからスピード全開という軽快さはない。格が足りていない馬が苦しむ中でも自身の重厚さを活かしてパワーのある走りが出来るタイプ。分裂気味?の変な構造の馬なので安定感はないが、タイミング次第ではマイルCS3着時の自身の上限パフォーマンスを繰り出せる。これこそが格のある馬の人気落ちでの巻き返しパターン。

 


⑤ホウオウアマゾン LS(C) G2

体力主導のS駆動というよくあるタイプだがこの馬は精神構造が割としっかりしている。良質な体力系先行馬という認識。輸送が苦手で東京新聞杯時は一睡もしていなかったとの事。今回それがクリアされていればマイルCS5着分のパフォーマンスは普通に見込める。マイルCSの時のような後続を引き付ける逃げではなく、逃げられなかった逃げ馬を最大限活かすような開放感の強い逃げを打てれば跳ね感も期待出来る。

 


⑥カラテ SL   G2.5

G3クラスまでなら上位の駆動と体力があるフィジカル系。年明け3戦の追い込み好走の肉体疲労が出てしまったのが前走。吐き出した後になるので心身ともに動けるタイミングではあるが、この馬はG1級の精神構造は持っていない。レースにまともに参加してしまうと精神力の点で頭打ちになる。

 


⑦ファインルージュ MC G1.5

体力も駆動も一定のレベルにはあるが1番の特徴は精神構造がしっかりしている事。肉体的に走れる状態であればG1でも精神的に苦を感じて崩れるという事はないので安定感が出せるタイプ。ただ何かに特化しておらず、苦しい状況を打破するための武器を持っていないので常にまずは自身のタイミングありきで、あとは他馬との相対関係の中でのパフォーマンスに落ち着いてしまう。前走がこの馬なりに一定のエネルギーを放出した所謂激走の形になっており、今回に向けて上げ幅は持っていない。精神的には耐えられるが肉体的な耐久度が若干落ちているのでパフォーマンスは下げて来る方向で見ている。

 


⑧イルーシヴパンサー SM   G2.5

連チャンっぽい荒々しさはなく、成長に伴って充実して来たエネルギーをしっかりと制御した上で駆動に変換している。要するに破綻はなく、充実したリズムの中で高パフォーマンスを見せて来ているというイメージ。前走の4人気1着は圧勝なので致命的なストレスにはならないし、仮にストレスを抱えていたとしても2走前条件戦の高鮮度で消せるタイミング。ただ鮮度がある分、厳しい経験という意味での近走の経験値は薄い。今回のレースのレベルの高さを個体能力で超えて来れるのか、それとも今回の格上げが心身に対する衝撃となってパフォーマンスを落としてしまうのかという判断になる。買うとしても少なからず苦のタイミングであるというのは前提として持っておくべき。

 


⑨シュネルマイスター CS(L) G1

肉体的な充実度もそれなりにあるので休み明けのトライアル戦でも安定しているが、昨年の安田記念マイルCSでキングリーとグランに0.1秒差まで迫る事が出来たようにチャンピオンを決める頂上決戦の舞台で発揮される精神力の強さが本質というタイプ。体力より精神力に寄っているタイプで、前走のように1800〜2200質のレースで厳しい持続ラップを刻まれてしまうと基礎体力が保たないというイメージ。パンサラッサとは明らかに逆質の馬。

古馬マイルG1という舞台で求められる資質と能力レベルは余裕でクリアしている。精神力系なので叩きながらリズムをつけていきたいタイプで、前走の凡走からどこまで巻き返せるかがポイントになる。良質が故の「格のみを見せつける2〜3着」だとイメージが合う。ここでいきなり頭で飛んで来るほどピンパーっぽい振れ方はしていない。

 


⑩エアロロノア M   OP

格上相手に苦を味わった後のダウンの開放感で軽く跳ねる馬で、自力での武器はあまりない。特徴の薄いM系。

 


⑪カテドラル LS量 G3

G3以下であれば量が効くので馬群も割れるが、本質は体力主導とS駆動の追い込み馬。近2走が格的に守備範囲内のレースなのでもう少し躍動感を見せても良いのだが煮え切らない内容で、馬がサボる事を覚えてしまっているような印象。

 


⑫ダイアトニック SM   G2

前走はゲート裏でテンションが上がってしまった事が影響して出遅れ。リズムを崩さない程度の差し脚は見せており、蓄積疲労やストレスを吐き出した上で今回マイルへの延長で位置を取ればという構図。個人的にこの馬に対して気になっているのは1600に比べて1400での挙動の方が明らかにスカッとしていてパンチが効いている事。精神構造的にマイルだと甘さが出てしまう馬がメンタル的に格下の1400では足りるというのはよくあるパターン。こういう1400でのパフォーマンスが高いタイプを安田記念という最高峰の舞台では評価し辛い。

 


⑬ソングライン MS   G2.5

阪神カップの凡走は牝馬だからこういうのもあるよねと許容する事も出来なくはないが、やはりG1級の格を持っていれば多少の苦でもあそこまでは崩れない。NHKマイルの好走は前走のVM0.3差5着の内容があれば理解は出来るのでそこに規格外の強さは見出さない。

良いSの駆動はあるが突き抜けるまでには至らず、結果的にセカンドクラスのスピード型マイラーという個体イメージ。安田記念という頂上決戦の舞台で強く評価出来る個体ではない。

 


⑭ソウルラッシュ LC量 G3

条件戦までは肉体の充実度から生まれる量を使って走っており、本質的には体力主導でそこに精神力の補完がしっかりあるというタイプ。G3以下では量が効くので年齢を重ねても安定する。あくまで肉体主導なので条件戦→G3→G1という格上げの連戦でびっくりするような好走を続けて来るタイプではなく、前走頑張った反動が今回のG1という最高峰の舞台では普通に出てしまうイメージ。ストレスではなく肉体の許容量的に厳しい。

 


⑮セリフォス LS量 G3?

古馬戦線に入ってどのくらいの格に落ち着くのかはまだ不透明だが、ひとまずは新潟2歳をピークにした早熟馬という見方で問題ない。琢也先生が「Cの量を纏ってる」と表現していたがイメージとしては近い。要するに肉体量で抜けている時にはC質も見せられるが、強い相手と当たって本質を要求されるとそこに精神的資質は無いという事。今回は明確にそういう本質要求のあるタイミング。

人気落ちでの巻き返しを期待される場面だが、それは基本的には格が足りている馬が(近走の凡走によって人気を落として)プレッシャーから外れて楽になったタイミングで自身の能力の上限のパフォーマンスに近付けるというイメージ。この馬の場合はそもそも精神力の部分で足りていないので頑張って走ろうとしても頭打ちになってしまう。

 


⑯レシステンシア C(S)   G1.5

パワーや体力が充実したフィジカル系ではなく優雅で精神力の強いメンタル系の良質馬。ダート馬やSL、LS系の馬に合うようなパワーによる無理やり気味の逃げ先行の形ではなく、追走スピードや物理的な体力、馬場的な不利(外伸び馬場の内枠等)等に問題のない、スムースな条件で精神力勝負に持ち込んで優雅に熱く好位差しをさせるのが合うタイプ。今回無理やり前に行くとドボンの形があり得るが、外枠を活かして軽く差しに回れば様々な要素が噛み合う。個体イメージ的に高松宮1人気6着→VM6人気3着の後の安田で簡単に崩れるような薄っぺらい馬質ではない。リズムを持って間隔を詰めてチャンピオン質のレースに向かって来るのは個体的にベスト。

 


⑰サリオス LS量 G2

体力が豊富でG1でも量感のある走りは出来るタイプ。近走は自力で力強いパフォーマンスを出すイメージは薄く、自身より弱い相手に対して量で圧倒するというのが本質になっている。G2以下の1400の高速馬場で先行させたりすると多分強い。香港マイルもそういう形で、逃げて体力を活かして物理的なリードを守り切れるかどうかという内容。「差さないでお願い」スタイルという事で、レイパパレを短距離志向かつ重厚にしたようなイメージ。レーンへの乗り替わりで逃げられなかった逃げ馬を使えば前走の1200での凡走もフリに使えるし面白い存在にはなる。今は逃げ切るほどのパンチはないのであくまで何かに差される想定は持っておいて良さそうだが妙味のあるタイミング。逃げて3〜5着のイメージ。

 


⑱ナランフレグ LS量 G3〜G1

元々肉体は充実しているが駆動の後押しがあと一歩足りないというタイプだったが、近5走はその駆動の点が向上してLS+のようなバランスになっていたイメージで見ている。Sに頼って一時的な連チャンで持って行ったタイプではないので、前走のスケール感のある追い込みをそのまま自身の格として消化させる事が出来ればG1格のスプリンターにもなり得る存在。一本調子なS系スプリンターのように体力的にマイルが即アウトというイメージはあまりない。前走を踏まえて馬質を1ランク上げる事が出来ているかどうか。前走までの造りのままでは流石に総合力の点で厳しいと見ている。

 


【評価】

◎ ダノンザキッド

◯ レシステンシア

▲ シュネルマイスター