【評価】
◎マテンロウオリオン
◯ソネットフレーズ
×インダストリア
×アルーリングウェイ
1着：ダノンスコーピオン LM量
前が厳しい流れをやや後ろで構えて、揉まれないけれど射程には捉えられているというベストポジションで運んだ形。自身の力で差したのは脚が上がったトウシンマカオのみで、自ら前向きに突き抜けていくエネルギッシュな挙動ではなかった。他にしっかり走っている(好走している)人気馬がいなかった事は大きかったと思う。個体分析としてはあくまで体力と全体の完成度の優位性を活かしたいダウン向きのタイプ。
2着：マテンロウオリオン CL
追い込みだと道中の消耗は比較的少なくなるので、追走苦でパフォーマンスを落としたという構図にはならない。しっかりとした精神構造で自身の体力を高い水準で動かす事が出来るタイプ。今回は直線のみで体力ストックを最大限使って来たが、駆動がワンパンチ足りないので突き抜けるまではいかなかったというイメージ。他馬が苦しい所を耐えられるのがこの馬の強み。タイプ的にはG2以下の混戦で中位人気の時に良い2〜3着が出来るイメージ。
3着：カワキタレブリー SL
デイリー杯、白梅賞、今回、と激走する時のパフォーマンスの質が似ている。凡走後のフレッシュな状態で相手強化を差しに回ったり、相手弱化で極端に前に行ったりと大きなショックを使っている。総合力という意味では高い水準ではないが、闘争心に火を点けた時の激走に味はある。自身のエネルギーのコントロールを自力では出来ないので、レース条件(ダウンなら自動的に前に、アップなら差し)に委ねているようなイメージ。何かしらの苦を味わった後の開放感はこの馬の激走のトリガーになる。基本的にハマり待ちタイプ。
4着：セリフォス LS(C)
2歳マイルG1で1人気2着に粘れる最低限の精神力はあるが、基本的には早熟の完成度タイプ。新潟2歳がこの馬のベストパフォーマンスで、その時点ではSC挙動。ただそこからデイリー杯、朝日杯、今回、と徐々に余裕がなくなって明らかにパフォーマンスを落としている。駆動が徐々に弱まってまとまりっぽくなっている。
5着：インダストリア SM
前走は緩い流れに嫌気を差して明らかにパフォーマンスを落としていたが、今回思ったより内容を上げて来なかった。ジュニアCの挙動は良かったが、あれは量による自身の能力以上のパフォーマンスで今回の内容が本質としておく。思ったより突き抜けて来ないこじんまりした良質馬というイメージ。
6着：キングエルメス LS
京王杯1着、アーリントン3着分の能力をそのまま惰性で出して来たイメージ。挙動の内容が良くなく、精神力系ではない。セカンドクラスの体力型先行馬で、基本的には前哨戦向き。
7着：ジャングロ S(C)
位置取りショックに反応している感じでもないし、後方で体力を温存出来たため最後まで伸びて来れた形。あくまでスプリントカテゴリーの良質馬。
8着：トウシンマカオ M(LS)
それなりの体力とそれなりの駆動というよくあるタイプの先行馬だが一定の精神力もあるので、あくまでセカンドクラスではあるがそんなに悪い馬ではない。前走馬群で苦を味わった後なので今回の逃げの位置取りについては多少の開放感も出て悪くなかったと思う。ただそこで押し切れるだけの能力がないという事。
9着：アルーリングウェイ M
単純にパンチ不足。優等生タイプなので苦の状況でパフォーマンスを上げるよりは自身が人気の立場でソツなくこなすという馬。
10着：タイセイディバイン LS
爆発的な前向きさがあるタイプではないので連戦の疲労を超えて3発目というのは厳しかった。今回は体力切れの負け方。駆動がそこまで力強くなくて重いタイプだが、その分肉体的なタフさはあるのでダウン道悪の先行押し切りが合うイメージ。
11着：ソリタリオ M
セカンドクラスの完成度系。現状は完成度のお釣りがないので厳しい。1回休んで条件戦からやり直し。
12着：ダンテスビュー LM
精神力も駆動も物足りない体力系。ダウン延長向きだが自力でしっかり勝ち切れるタイプではない。
13着：ステルナティーア L
ダウン向きなのにG1からのダウンだったチューリップ賞で凡走しているのが厳しい。牝馬なのでこの経験値をフリにして一気に巻き返すというよりは、リズムを一旦リセットして再チャレンジした方が良い。
14着：セイクリッド S
牝馬だという事にレースが終わってから気付いた。牝馬なら尚更こういう無茶な参戦でリズムを崩さない方が良い。
15着：プルパレイ SL
精神力はあまり無いタイプで、道悪の1400をパワーで押し切る形が合う。マイルは総合力を問われるのでなかなか難しい。
16着：オタルエバー SL
ダウンで楽に先行してマイペースで運べばなんとかというタイプ。仮に逃げたとしてもこの馬の格ではG1では自身のペースには出来ない。
17着：ソネットフレーズ M(SC)
グランアレグリアのように完成度が抜けている訳ではない馬にとって、休み明けいきなりのG1というのは、肉体面のフレッシュさの優位性より精神面への衝撃のデメリットの方が大きい。良い馬だと思うのでこういうトラウマになりそうな経験はあまりさせない方が良かったと思う。無難にクイーンCを使ってからの今回だったらまた話は違った。良質だとしても量系ではない馬の休み明けは疑った方が良い。
18着：フォラブリューテ LM
これは明らかに足りていない。
