【個別分析】
①ナムラクレア C
無駄が少なく、研ぎ澄まされた精神構造をした馬。Sのパンチに欠けるのでセカンドクラスっぽいがまだ奥はありそうで混戦になった時に耐えられる質を持っているのは強み。休み明け馬体増で精神的にも肉体的にも8割程度の仕上げだった前走から肉体面での上積みがあれば善戦は見込める。
②カフジテトラゴン SL
一本調子なダート馬にしてはしぶとい一面もあるが、G1で強い馬相手にラストでもう一踏ん張りするほどの奥行きはない。条件戦ならダートでも1200の方が押し切れそうなイメージ。
③アルーリングウェイ M
完成度は高いが強みに欠けるM系。多様な距離を使っているが内容がどれも一辺倒で、これこそ差し経験が欲しかったパターン。経験値が薄い。
④パーソナルハイ L
かなり悪質なL系。ダウンでベスト条件だった前走でも応えられないのは厳しい。
⑤ピンハイ SC
どっしりと安定して長く活躍出来るようなタイプではないが一瞬の煌めきという点については今は明確にある。牝馬だしこのリズムに素直に、前走同様やる事は決まっているのでそれなりの評価はして良い。
⑥ウォーターナビレラ MS
完成度は高いし、馬質も良いし脚質も良いのだがそれ以上の何かが足りない馬。無理やりにでも上跳ねを出す為に逃げとか差しのような手を使うなら可能性はあるが、これまで通り器用さを活かすような無難な形の競馬になると頭のイメージはない。
デビュー後は未完成な面を見せていたが、勝ち上がった2走前からSのスイッチが入って駆動がある状態。前走単発のストレスは鮮度とリズムで超えられる場面だが、Cのあるタイプではないので前走単発のピンパー系というオチもある。
⑧スターズオンアース CM
G1級の個体能力という意味ではズレるが、G1でも耐えられる精神構造は持っている。C保有のM系で、リズムを保有しながら人気を落としての初G1というのはかなり良いタイミング。本質を問われると同時に、その本質要求に耐えられるというこの馬の持ち味が存分に活かされるタイミング。過去3戦はどれも何かに特化した馬に負けた形で、そういう馬がアップで苦しんだ場合に出番が来るイメージ。
⑨クロスマジェスティ SM
そんなに悪い質の馬ではない。ただ経験値は薄く、アップで苦を感じた時に耐えられる程のレベルのSではない。
⑩ライラック S
ナミュールと似たタイプだがこちらの方がより奥行きのない馬質。どっしりとした精神構造を持っていないピンパー系で、同じフェアリーS勝ちの去年のファインルージュとは意味合いが違う。ファインルージュは馬質を担保にフェアリー1から本番で3を守ったがこの馬は崩れるイメージ。
⑪ラブリイユアアイズ CS SC
京王杯2歳SからJFでパフォーマンスを上げているようにアップで良さが出て来るSCとかCS系のイメージ。精神構造だけで言えばここでも全く問題なく勝負になる質。C主導だった場合は休み明けが懸念だが、S主導なら問題なく好走して来れる。
⑫ベルクレスタ LC
肉体主導で明確にダウン向きのタイプ。JFの飲み込めなかった6着で底を見せているしここでは評価しなくて良い。
⑬ラズベリームース M
前走は休み明けの大幅馬体増だったので駆動が物足りないのは酌量の余地がある。体力と駆動は一定レベルあるし、持続質でそれなりの能力はありそう。未勝利を逃げて勝っただけの馬がアネモネを叩き台にするというのは面白い。
⑭プレサージュリフト LM量
追い込み2つのみで経験値が薄く、まだ量的で本質は計れない。アップの局面だが無理に流れに入っていかなければがっつり本質を問われる事もないし、スケール感と量で差し込んで来てもおかしくない。セカンドクラス感はあるが良質なスターズ、ダウンで明確に向いたベルクレスタの2頭を飲んでいるのでこのメンバーでもそれなりのランクには置いて良い。4人気1着になれるほどの力強さはないので頑張っても2〜3着までのイメージ。
⑮アネゴハダ SL
JFを経て一回り成長した。もっと駆動が弱くて重い馬という印象だったが、ダートを使った効果もあるのか前向きさが増してSっぽさを感じる挙動になった。ここ2走の内容は悪くないが、差しに回って味が出るタイプではないのでこの先行脚質でアップとなるとSのパンチが物足りない。前走の4人気3着がこの馬にとってベストのパフォーマンスかな。
⑯サークルオブライフ CL
格感のある馬で、良質な精神構造と体力で完成度の優位性を活かしたいタイプ。自身に強いSを持っていないので、他馬が苦しんだ所を後から余裕を見せつけるというのがこの馬の真骨頂。前走のように前哨戦で主役として出ていく形はあまり合わない。能力はあるのでこういう表現は失礼だが、他馬の破綻があれば安定して上位に来れる。自力のみで力強い差し脚を見せろというのはやや難しいイメージ。
⑰フォラブリューテ LS
悪質とは言わないが苦の状況への引き出しがまだないタイプ。現状は少頭数とかダウンで完成度を活かすタイプで、今回は楽→苦のタイミングになり大幅な成長がなければ厳しい。
⑱ナミュール S
体力寄りのLっぽい要素はかなり薄くてSメインで構成されている馬。上質な馬のイメージはあまりない。体力系ではないので大外から飲み込む形の競馬は厳しく、やるなら前走見せたSの余勢でもう一発というパターンが一応ある。ただ連続で持ってこれるほど膨大なS感でもないし、後支えのCが薄いので前走単発のみでしたというパターンの方が馬質とのイメージは合うが。
【評価】
◎スターズオンアース
◯ラブリイユアアイズ