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2021 天皇賞・秋 予想

【個別分析】

①コントレイル LM   G1.5

馬質としては明確にL主導で良い方の部類ではない。補完のM(最低限のSと少しばかりのC質)要素がしっかりあるのでJC2着のレベルにはまとめられているというイメージ。G2以下なら今もLM質で圧倒出来ると思うが、G1で自身より強い馬、質の良い馬を相手にした時に良さが出るタイプではない。

JCの2着についてですが、秋天からの延長で余勢があったアーモンドアイに対してこちらは菊激走からの臨戦で、鮮度で打ち消せない程のストレスと蓄積疲労を抱えていたのであの形の競馬になるのは仕方ない。かなり苦しい挙動ながらもその中でデアリング以下は抑えている訳で、もちろん3冠馬としてのハードルは分かるがこの馬の絶対評価をあそこでがっつり下げる必要はないと思っています。個人的にはそもそも「G1.5」クラスの格の評価なのでJCの2着は寧ろよく頑張ったなくらいの評価です。

 

カデナ LS   OP

毎日王冠の回顧を引用します。「こういうG2らしいレースレベルのしかもM質寄りの破綻の少ないレースが1番合わない。G3の混戦とか逆にG1の極限勝負で後方から着を拾いたいタイプ。」

今回はカレンやポタジェのような破綻の少ない2番手チームがいるのでがっつりの展開破綻はないと見ている。

 

③モズベッロ L   OP〜G1掲示

物理的な体力の保有量と精神的なタフさが特徴の馬。条件戦から上がってきた頃はS優勢のSL的な挙動だったが今はかなり本質に寄っている。この馬の弱みはS(エネルギー)が足りない事による活性化と脚質の問題で、その弱点がクリアされるのが道悪という事。体力とタフさ(良くも悪くもレースをやめない点)は膨大にあるので道悪の消耗質のレースではその強みだけで雪崩れ込める。短縮向きだと思われているが個人的には今回のような単純な短縮だと活性化不足からの遅刻にしかならないと見ている。必要なのは短縮に道悪が加わる事によって前走長い所を走った事で体力の補完をしつつタフなレースを後方から行く優位性まで乗っかって来る事。そこまで揃ってやっと馬券内に食い込めるという馬。前走は素人目で見ても調教から動いていなかったので状態面で度外視可能で、今回道悪の消耗質になるなら素直に評価するが良馬場なら一切評価しない。

 

④ポタジェ MC   G2.5

突出した要素、派手さはないが馬質としてはかなりしっかりしている。前走の回顧で「ディープ産駒だが量系ではないので鮮度依存度も低いし、本質系としてG3〜G2で長く活躍出来るタイプ。」と書いたが正にそういうイメージ。今回もこの馬なりの好走はして来ると思うが、例えば単純に地力だったり、上げ幅を出すためのショックだったりそういう上位の壁を崩すための材料が足りない。

 

⑤エフフォーリア SCM

芯の入った精神構造をしており悪質なLに振れていないのがこの馬の魅力。コントレイルやシャフリヤールのような馬はダービーでLを振りかざす110%の競馬をしたのに対して、この馬は自身のSC質の走りの範疇(90%程度)でダービーを獲りかけたくらいの能力。秋天という頂上の舞台で強い馬を相手に立ち向かっていく際にこのSC質は大きな武器になる。完全に強い相手向きのタイプで、ここを獲る資格がこの馬にはある。あとは足りるかどうかだけ。

 

⑥トーセンスーリヤ SL   G3

あくまでG3クラスでは強い部類に入るパワータイプの馬。そのクラスまでなら主導であるS(エネルギー)で覆い隠す事が出来るが、精神構造の背景に明確にLも抱えており、高いレベルのレースではLが露呈するイメージでLSへのシフトが起こる。逃げとか追い込みでSのみを前面に出す形の競馬をするなら可能性はギリギリ残るが基本的には厳しいと見る。

 

⑦ワールドプレミア M G1掲示

体力補完のあるM系。良質な精神構造の馬だとは思っていないがまだ若干量的で本質が隠されている印象があって半信半疑。強さは見せないがなんだかんだG1で結果も残しておりそういう意味では格も保有している。菊とか春天を量の範疇でこなして、秋天で本質を問われても結果を出せるという事になるとフィエールマンクラスという事になるがそこまでの良質さはやはり感じないかな。個人的には距離鮮度とか調教とかそういう外的要因を抜きにフィエールマンクラスの質を持っているかどうかという点で判断したい馬。

 

⑧サンレイポケット LM   OP上位

毎日王冠の予想から引用。「基本的には体力系の差し馬でOPクラスなら格感を示す事も出来る。足りていない場面でのS不足が顕著でこういう中央所の上級条件では一線を引いてしまって良い。オープンならいつでも、G3ならローカル質なら頑張れる。」

 

⑨グランアレグリア M(強)量 G1強

VM圧勝からの安田っていうのは明確に本質を問われますね。アーモンドアイもこの馬もその場面で2着という事で一定のC質の保有は証明されている。アーモンドアイが崇高なCS系の超良質馬で、そこと比較するとこの馬はLの保有もしっかりあるのでタイプとしてCS、SCというのはない。全ての要素を高いレベルで保有しているM(強)系という認識です。

今回は休み明けでマイルからの延長臨戦という事で活性面に大きな問題はなく、素直に個体の強さをそのまま評価するべき場面だと思います。CSアーモンドアイとは違うので2〜3着もあり得るイメージは持っておいて良いが評価を下げる要素はない。

 

⑩カイザーミノル S   G3

エネルギーの充実期でこの馬なりに高いパフォーマンスを出せる状態にはある。その状態で前走ポタジェに勝てなかったというのは能力の線引きとしてしっかり持っておきたい。逃げとか追い込みのようなオプションの助けを使ってパフォーマンスを引き上げられるならポタジェ以上はあっても良いので買える穴馬ではあるが、それがコントレイルやグランのレベルまで届くのかは冷静に見極めるべき。個人的には限りなく消しに近い×くらいの評価。

 

⑪ムイトオブリガード L OP

体力質でOPレベルのレースでないと現状は厳しい。

 

⑫ラストドラフト CL G2.5

賢いC系で良い精神構造はしているのだが上級レベルだと明確にSが足りない。アル共でオーソリティまで届かない所等、1着を獲れないのがS(エネルギー)不足の証明。G1やG2を勝つレベルのエネルギーを保有していないという事。

 

ペルシアンナイト LC G2.5

馬のイメージとしては能力的にもラストドラフトと近いがこちらの方が若干L寄り。最近はピンポイントに札幌記念だけで馬券になっているように能力よりも格の要求のある場面では応えられるというイメージ。L優勢の分ラストドラフトのようにC的に狡くサボったりはしないので毎回それなりの着順にはまとめて来るがG1では1枚足りないと見るのが無難。

 

⑭カレンブーケドール MML   G2.5

まとまり感がキツく、能力、質ともにG1級にはない。一昨年のJC2着がこの馬の最高到達点。そこから1回も上向いてはいない。最低限のC質含め全ての要素をバランスよく持っている事は確かだが結果的に良質とは言えない形に落ち着いてしまっている。

 

⑮ヒシイグアス SCM G2

ポタジェと似ているがこちらの方が大きなSを持っている。Sの破壊的な連チャンではなく本質的な内容で条件戦からG2まで4連勝で駆け上がったのは能力的にも質的にも評価するべき。G2を勝てるレベルのSがありながら自身のSで破綻しない程度に後ろ支えの精神構造を持っているので質としてはかなり良い方。持っている資質としてはここで足りるかどうかというラインに乗せても良いレベルではあるので走れる状態であれば期待は持てる。

 

⑯ユーキャンスマイル LS G3

体力質のダウンホースでかなりキャラが際立っているので狙い所がピンポイント。ここは違う。

 

 

【評価】

◎エフフォーリア

○グランアレグリア

△コントレイル

☆ヒシイグアス

 

印をつける際にこのレース自体の構図を考えるとあくまで本命株としてどっしりとグランアレグリアがいて、そこに対抗筆頭という事でエフフォーリアになると思います。

その構図に従順に印をつけるのか、魅力と可能性と資格を兼ね備えるエフフォーリアに期待するのか、ここは好みの次元と言っても良いレベルかなと思います。最終的に決め手にしたのは単勝の魅力ではなく複勝の確度です。

3番手以下については◎○の2頭のいないG2戦(1番人気コントレイル、2番人気カレン、、)のイメージで見た場合、どれだけ悪質だと思っていても流石にコントレイルは外せないと思います。3強以外からどの馬をチョイスするのかも本来かなり繊細な所だと思うので意思表示のつもりでヒシイグアスを挙げておきました。コントレイルが破綻した場合はポタジェ、カイザーミノルあたりも候補になって来ます。