2020 函館記念
函館芝2000 16頭
良馬場だが開催が進んでタフな想定
【個別分析】
❶レイエンダ L(S)
ずっと弱い。休み明けダウンで人気もなかった東京新聞杯で悪くない展開に入ったにも関わらず掲示板すら確保出来ない所が本当に弱い。富士Sやダービー卿は位置取りのショックが掛かっており強いSの付加があったのでなんとかパフォーマンスを上げているがそれではごまかし切れないくらい本質の勝負になった時の弱さが際立つ。今回はお決まりの差しへの位置取りは掛けられない場面。延長で内枠なので逃げ・先行も考えられるが多頭数の内枠で道悪で本質寄りの勝負になった時にカウディーリョに圧をかけられたらアッサリだと思う。
❷バイオスパーク S(C)
20→24への延長で凡走、そこから18への短縮で9人気1着というのを見ても明らかだが短縮優勢のS主導のオルフェ産駒。母父がマイネルラヴの分パワーに寄り過ぎていない代わりに2走前のようにSの流れの中での我慢強さを付加しているイメージ。
基本はやはり短縮向きだが表面的な短縮/延長よりも精神的にSを持続させられるレース質かどうかの方が大切かなと思う。今回は18→20への延長になるが格上げになり人気馬が前で引っ張るSの流れになると想定しているので個人的にこの延長は精神的にはこなせると思う。あとは近3走で全て人気以上に走り、しかもそのうち2つがオープンクラスという事でストレスと疲労面との勝負かな。完全初重賞の鮮度はあり、人気以上に走っているという事でストレスを抱えている代わりにリズムは良い。タイプ的に重い函館の内枠というのは悪くない。鮮度とリズムを取るか疲労を取るか、どっちを取るか難しいが人気を考えなければ五分五分だと思うので紐でならギリギリ押さえても良いかなとは思う。あっても3着かなとは思うが。
❸ミスマンマミーア CL体力
体力タイプ。本質的に2000は短いと思うので道悪で体力質のレースになる事が条件。前走が短縮だったので短縮失敗後の同距離イメージで多少流れを楽に感じながら内枠からソコソコの位置が取れれば勝負の土俵に乗れる可能性はある。
❹ランフォザローゼス LM
前走が休み明けで7ヶ月振りのレースだったが謎の1400。元々量っぽいまとまり系だったので1400の忙しい流れとかはキツく感じるはず。ただただなんとか追走して直線に向いても何も出来ないという負け方で良い所は全く無かったが今回に向けてスピードの活性が入った事は確か。本質は広いコースで伸び伸びタイプだと思うので場自体は合っているとは思わないが1400から2000への延長は流石に楽に感じそうで不気味。武豊への乗り替わりも含めて不気味だが、逆に個体についての深いレベルでの買い要素はほぼ無いというのもある。1400の経験での活性とあからさまな乗り替わりという表面的な要素だけ。これを押さえてしまうのは藤沢に負けた気がして悔しい。
❺カウディーリョ LS(C) LC(S)
ダウンとか休み明けでのパフォーマンスが良くてLっぽい部分があるがSの駆動もしっかりある馬。前走は20→24の延長でレーンが距離を気にしたのかかなり抑える乗り方をしておりこの馬のSをグッと殺していた。それでも馬はよく我慢しておりゴール前で追われ始めてからはかなり前向きな走りをしていた。良い馬だと思う。
今回はバウンド短縮で鞍上が藤岡に戻るので逃げられなかったとしてもこの馬のSを殺すような乗り方はしないと思う。内枠だししっかり出していかないとと考えてスッと出ればこの馬のリズムで走れる。重賞実績の無い中で1番人気になっており今回はその人気のプレッシャーとの勝負になると思うが2走前4走前に1番人気1着の経験もありある程度は信頼出来る。
❻ドゥオーモ S
小倉大賞典で初重賞の鮮度を使って激走した反動を引きずっている感じ。このリズムだと厳しいかなと思う。
❼レイホーロマンス S(LC)
前走は軽い所からの短縮で評価していたが沈み方があまり良くなかった。短縮失敗後の同距離というLっぽいタイプでも無いし、牝馬限定から牡馬混合の実質格上げでというCっぽいタイプでも無い。変なSっぽい馬なのでリズムチェンジのタイミングやショックが掛かるタイミングで人気がなければ押さえておくというイメージ。今回は多分違う。距離とか舞台は合っていると思うが前走のあの凡走からパフォーマンスをグッと上げてくるイメージは湧かない。
❽ベストアプローチ LS
前走が去勢明けで2年以上の休み明け。休む前の2走前で良い時のノーブルマーズをあっさり交わしておりこの馬自体の能力は高い。前走は出遅れて後方から大外を回してのもので全くダメという感じではなくしっかり前向きな走りもしており2年以上の休み明けを考慮すれば悪くはなかったかなと思う。スタートを決めて流れに乗って普通に能力を発揮出来れば普通に頭まで来れるくらいの馬だと思うのでこれは評価して良い。他の馬が走れないタイミングだったりして可能性を感じないようであればこの馬の単勝1点で勝負しても良いと思うくらい能力のある馬。
❾レッドサイオン M
前走巴賞で1番人気だったが休み明け+16キロで出て来ており仕上がっていなかったのか良い所なく凡走。デビューから10戦して0.5秒以上負けたのが前走だけという馬で軽い東京でも重い中山でも安定した成績を残している。初重賞の鮮度もありまとまり系の人気落ちというオプションもついている。何よりも良いのは2走前が中山のマイルという事で忙しい流れの経験がある事。前走がもう少し見所がありつつの休み明け仕上がり不足でした〜の0.5差なら素直に評価できるが全く良い所が無かった所だけが引っかかる。それ以外は良い所が多いのでひとまず前走の挙動には目を瞑って評価しておいて良いかなと思う。
➓トーラスジェミニ SL(C)
ガツっとしたSのある逃げ馬では無いがタイプ分けで主導をつけるとしたらSになるのかなという感じ。7走前の中山で逃げの位置取りを決めてから良いリズムをキープしているが、ダービー卿の1.1差11着というのもあって個体としてしっかりした能力の裏付けがある感じではなく脆さもある。7走前からの大きなリズムの中でポイントポイントで逃げる事によってそのレースでのリズムも掴んで好走しているのでリズム重視の馬というイメージ。
最初に書いたが強いSを感じている訳では無いので苦を跳ね除けて連チャンで持っていくイメージは無く、しっかりした個体能力の裏付けがある訳でも無いので3番人気で他から見られる逃げになって少しでも圧が掛かれば普通に苦を感じる。同じく人気になっている逃げ・先行馬のカウディーリョもおり、あちらは交互で走れるターンなので直線入り口で圧を掛けられたらこっちは崩れるというイメージ。
⓫スズカロング CM
3走前の大差負けは2頭でオーバーペースで離して行ってしまい明らかに体力切れなので参考外。芝に来てからのそれ以外の4戦はどれも0.4差以内で、激走後でもう少し崩れても良いだろうという所で耐えている。前走も激走後で2番人気になっていたのにも関わらず個体はコースが無い中でも前向きに出て来ようと頑張っていた。良いリズムの中でいい感じに前走凡走しているので人気落ちを引いて交互で◯のタイミングになっている。このタイミングでの連闘は悪くないと思う。リズムを持っている馬で激走後になっていないのはカウディーリョとこの馬だけ。Cっぽさのあるこの馬にとって斤量6キロ減もかなり大きい。これは面白いと思う。
⓬プレシャスブルー CS
母父のアンバーシヤダイの影響かあまりディープっぽくないディープ産駒。しぶとさがあって瞬発力もあり、そこそこの馬とやってきてポテンシャルの証明もある。前走14人気3着とかなり激走の形になっているがこの馬の能力からしたら過小評価なので8人気3着のイメージで見ておく。それでも激走ではあるが3走前条件戦で鮮度があり、2走前はしっかり凡走なので短期的な疲労はそこまで無いと見ても良いかなと思う。2ヶ月くらい間隔が空いており、メンバーの中でもカウディーリョの次に間が空いている。カウディーリョとトーラスジェミニで前に圧が掛かると思うのでプレッシャー外からの差し馬としてこれは評価しておきたい。
⓭ニシノデイジー LC
近走のパフォーマンスを見る限りはなにも光る要素が無くもう終わっている。やるとしたら逃げくらいだがそれでも厳しいでしょう。能力があったのは事実だし良い馬だったのも事実なので復活に賭けて買うというのも分からなくは無いが中途半端に人気になっているこの状況では個人的には全く買う気になれない。そもそも今の個体を評価していない。
⓮アドマイヤジャスタ LC
前走久し振りに1ケタ着順まで来たがレースを見ると特別良い部分は感じられず、「凡走しなかった」だけという印象。久し振りに自身で凡走しなかった事は評価しても良いが、かと言ってここで買う要素にはならない。前走に引き続き今回も1秒差以内に詰めて来てそこそこの挙動を見せてからかな。
⓯ナイトオブナイツ L
弱いでしょう。
⓰マイネルファンロン LC
これは今はあんまりカツカツしたCっぽさは無くて、開放感で楽を感じながら若干のC質を活かすようなイメージ。そういう意味で大外枠は良くもないけれど悪くもないかなという判断。2走前の福島民報杯でソコソコの相手に対して0.3差の5着があってまだやれる。挙動は良くは見えなかったが自身の上がりが38秒というのを考えると相当タフだったので流石にキツ過ぎたのが理由かなと思う。前走はスタートで出負けして後方からになってしまいアウト。苦しい所で踏ん張れる精神力は今は無い。
ただ今回は後方馬群で苦を味わった後のバウンド延長、外枠替わりでスタートを決めて3〜4番手くらいを取れれば楽には感じる。昨年の函館記念も凡走後の前に行く位置取りだったので同じイメージでいいでしょう。あそこまで綺麗に巻き返すあたりもカツカツのC系という感じはしない。先行して楽を感じながら若干の精神力を発揮して熾烈な3着争いをモノに出来るかというイメージ。体力がある訳でも無いので外をぐるりと回ってそのまま勝ち切れるタイプでは無い。
【予想】
◎⓬プレシャスブルー
◯⓫スズカロング
▲❺カウディーリョ
△❾レッドサイオン
☆❽ベストアプローチ
レースの中心はやはり人気の逃げ・先行馬で、強さを感じていない3番人気のトーラスジェミニは走れないと踏んで消し。完全にベタですがカウディーリョは評価せざるを得ないので▲の位置に置きます。同じく先行馬でリズムと軽斤とC質で◯スズカロングはカウディーリョに競り合って行ってプレッシャーを掛けられるのを評価してカウディーリョよりは上の位置に置きました。そこにマイネルファンロンもいるかもしれませんがこちらはあっても3着のイメージで勢いが無いので切っています。バイオスパークは微妙。ボーダーです。
前に行く馬が多くある程度厳しい流れになる事が想定されるので狙い所としては1列後ろでためられる馬かそれより後ろからドカンと来れる馬。
という事で◎プレシャスブルーはドカン要因です。激走後で買いづらいかもしれませんが今回も人気になっていないのでギリギリ買えるかなと判断しました。ポテ証明もあってタイプも良く、展開の恩恵があれば頭まであり得るかなという事で本命です。
△レッドサイオンは1列後ろの組からでベタに買える臨戦だと思いますが前走の挙動だけ信用出来なかったので4番手。そして☆ベストアプローチも同じく差しのチームです。これはピンかパーの可能性があるので△ではなくあえて☆で。
印を打った馬にはどれも魅力を感じていますが「今回はこの馬!」と決まった1頭がいる訳では無いので現状はBOXイメージです。それもあって3着ならあるかも、、というファンロンとかバイオスパークは切っています。
先週からレース回顧はnoteの方で有料にさせてもらっています。
競馬において回顧というものがかなり重要だと個人的にずっと感じていました。記事を売ってお金を貰いたいという意図ではなく、自分なりに価値があるものを書けていると思っているのでオープンで垂れ流すのではなくしっかりクローズドにしてその価値を守りたいという意図です。
Twitterのプロフィールにリンクがありますのでもし僕の回顧に価値を見出して下さる方がいればどうぞ、、という感じです。