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名馬メモリアル トウカイテイオー

トウカイテイオー C+(LS)

 

1991皐月賞 1人気1着

少頭数から一気の頭数アップ格上げで大外から捲ってねじ伏せる競馬。圧倒的に強い。

 

1991ダービー 1人気1着

ここも同じく大外から。Sに頼らずに連続好走する挙動に肉体と精神両面の体力の豊富さを感じる。

 

1992大阪杯 1人気1着

10ヶ月半の休み明け、大幅馬体増、ダウン少頭数という自身の状態的にもレース質自体も緩い条件。春の2戦で見せた「強さ」は求められないタイミングで、それこそ本質を隠す「量」でこなしたレース。

 

1992春天 1人気5着

前走からの相対的頭数増とG1という格式から来るレースの強度アップ(ペースが分からないのであえて抽象的な表現に留めます)がありつつ、さらに初の長距離戦へのカテゴリーチェンジ。

臨戦的な中身は楽→苦的で厳しいのに、レース質としては長距離で折り合う緩さが求められるというアベコベさに馬が戸惑ってしまったという印象が1番大きい。道中もバタバタしておりこのカテゴリーでしっかり慣らされているマックイーンと比べて折り合いに苦労していた。ケガの影響もゼロでは無かっただろうし、強い馬でも生き物なので毎回毎回勝つのは難しい。

 

1992秋天   1人気7着

休み明けで大幅短縮のペースアップを2〜3番手で先行してしまって最後はガス欠。この緩→急の臨戦で先行して大崩れする事なく0.5差にまとめた所に地力と上質さを感じる。

 

1992ジャパンカップ   5人気1着 

着差こそつかなかったがこれがこの馬の本質を表す走りやすい臨戦だったと思う。短縮で苦しい思いをしつつもひと叩き的なチューンナップ?もされた後の延長外枠で皐月・ダービーのようにねじ伏せる競馬。

 

1992有馬   1人気11着

大幅に馬体を減らして出遅れて見せ馬なく11着と凡走。4歳(現在の3歳)時は連続好走出来るだけの心身の耐久性やタフさ(もしくは肉体的苦を超える程豊富な精神力)があったが、古馬になってケガも経験してこの馬の本質に近付いたという印象。

身体能力に任せて図太く惰性で掲示板にまとめるのではなく、走るべきタイミングでしっかりと能力を100%発揮し、キツい時ははっきりキツいという繊細な馬。寄生虫駆除の下剤服用の話もあって体調的な問題もあったと思うが、個人的にはこの馬のガラスのエース的な崇高さ、繊細さを感じたレース。

 

1993有馬 4人気1着

半年ぶりの多頭数の秋天では凡走してしまった通り、今回も休み明けでさらに1年ぶりとなるので少頭数や長距離等のレース質の緩さは必要だった。結果論だが14頭立ての中頭数でスピード<体力要求となる中山2500の有馬記念という舞台がこの馬の休み明けでこなせるレンジに入っていたという事になる。

そういう走れる条件設定の中ではあったがL(体力)系トップクラスのビワハヤヒデを併せ馬で交わし切るのだからこの馬の強さは本物。

 

 

 

「走れない(本来はキツいはずの)条件を力技で覆す」のは連チャン期でお馴染みのS系のなせる技。勢いでノリノリで乗り越えていくので見ていて圧倒されてしまいますが、中身に限った話ではC系の上質さには勝てないと個人的には考えています。

それに対して精神力系と言われるC系は、「走れる条件でベストパフォーマンスを出し切る」点で他と比べて秀でているタイプと見ています。

 

トウカイテイオーのタイプとしてはまずC主導。一定の体力や駆動は持っていないとここまでの成績は残せないと思うのでC単独という事は流石になし。

強い精神力でC+、そして補完に体力と一定のエンジンという事で(LS)という評価にしました。

 

通算129(G14)23着が一切ない、馬券外か1着しかない馬柱がこの馬の繊細さと強さを見事に表している。稀代の天才馬だと思います。

2023 シルクロードS 予想 

【個別分析】

①シャインガーネット CM

スピードも体力も中途半端なので派手なパフォーマンスは見られないが、精神構造がかなりしっかりしているのがこの馬の強み。低速の持続質戦でラスト100mの踏ん張り勝負のようなレースになると毎回しっかり顔を出してくる。摩擦にも強いので内枠ベター。

今回のメンバーにスピードに秀でたタイプやスケール感で抜けている馬はいないと見ている。休み明けの4歳馬が重い斤量を背負わされており、ハンデ戦らしい混戦になれば面白い。

 

 

②ナムラクレア MS(C)

S要求の強い小倉と中山で外を回して差し届かず人気を裏切る凡走。勝ち切れていないが1400・1600の重賞でも好走出来ているように、Sの強いスプリンターらしい馬というよりは精神力保有のバランスタイプという個体イメージ。阪神1400の内枠がベストな印象。

Bコース替わりで内が使える馬場になっているのでスタートを決めてなんとなく流れに乗ればなんとなく好走して来そう。C系の休み明けダウン取りこぼしのイメージで切るのは危ない。中京だし普通に対応して来そう。

 

 

③グルーヴィット LC

昨年の冬〜春のシーズンは好走もせず、凡走もせずという均衡状態っぽい印象だった。間隔を空けて気分をリフレッシュさせ、馬体も増やした前走で久々の1着。ここから連続好走して行くようなエネルギッシュさは感じておらず、高齢馬らしく休み明けベストで交互っぽくなっていくイメージ。

 

 

④エイティーンガール CL

前向きさが足りなくて追走力がないのが弱点で、道悪等で差しにバイアスが掛からないと物理的に間に合わないという形になりやすい。そのせいで大外差しの印象が強いが、2走前のスプリンターズでイン差しが出来ているように精神構造は割としっかりしているタイプ。狙える条件の幅が狭いのでピンポイントで走れるタイミングの見極めが重要。精神力系らしく叩き良化型っぽいので使いながらの3戦目は悪くない。鞍上がしっかりインを突くなら面白いタイミングだが、馬の走る気持ちに合わせてゆっくり追走して外を回してしまうと良馬場では流石に厳しい。

 

 

⑤シゲルピンクルビー L

自身より弱い相手に対して体力を活かして惰性で前で残すタイプ。タフ馬場で前が残るような単調なレース向き。休み明けは良いが重賞だと基本的にはワンパンチ足りないイメージ。この馬なりには走って来れるタイミングなので差し馬に破綻があったりして展開の助けがあれば。

 

 

⑥レイハリア (S)

リズムが悪い先行馬は基本的に苦しい。

 

 

⑦マリアズハート MS

精神力もスピードもそれなりにあってバランスは良いが、悪く言えばこじんまりまとまっているタイプ。OPならいつでも連対出来るくらいの個体イメージだが重賞に出てくると頑張っても掲示板となってしまう。今回は継続して人気薄の立場でハンデ戦の中枠なので他馬の破綻があれば上位に顔を出せる。自分の分は走れるタイミング。

 

 

⑧マッドクール SL/LS

先週のエピファニーのように条件戦で弱い馬を相手に先行力と体力とスケール感でこなして来た印象。精神力は強くなさそうなので相手強化・ペースアップで軽く位置を下げたりして揉まれるとあまり良くない。基本的にダウン向きで自身より弱い馬を相手にして量的な強さを見せるタイプ。

格上げで精神力的な期待は持ちづらいタイプだが前走の圧勝は見過ごせない。底が見えていないので負けるまでは買わざるを得ないという印象。

 

 

⑨ファストフォース LS

加齢の影響か先行力が弱くなって来て、無理に出していくとラストで脚が上がってしまうという競馬を近走繰り返していた。前走で前に行くのを諦めたのか、腹を括って外差しに構えた事によって馬が追走の苦から解放されて差しの位置取りショックのような形になりフワッと着順を上げて4着。強いS質、駆動を持っている状態ならあそこでもう少し反応出来ても良かったと見ており、やはり加齢の影響で馬がダラっとしてしまった印象。

今回は前に行っても追走苦だし、差しに構えても前走以上の上げ幅がないとなると馬券圏内は苦しい。

 

 

⑩ショウナンバニラ CL

悪い馬ではないがパンチが弱いタイプ。あまり強くない相手に対しての内枠が合う。ここを凡走後のダウン内枠で。

 

 

テイエムスパーダ (S)

リズムが悪く、近走の走りにエネルギッシュさを感じない先行馬。逃げの位置取りショックだけでは変われないと思う。斤量が増えるのも良くない個体。

 

 

⑫カイザーメランジェ L

S質が弱まって追走が苦しくなって来ている。高齢馬なので叩いてパフォーマンスを上げるというよりは、前走のような休み明けの道悪のような条件で単発で走る方が楽。

 

 

⑬キルロード SL

エネルギー放出の交互系という印象は薄い。パワー>スピードという先行馬なので開幕週のような軽い条件(オーシャン、函館SS)では良さが活きないというだけで実際大きく負けていない。前走の10人気自体が不当評価なので10人気2着=激走=今回反動という見方はしなくても良いかなと思う。

 

 

⑭ウインマーベル CL量

前走で本質の精神力の強さを見せたがそれまでのパフォーマンスは量的。自身より弱い相手に対しても横綱競馬で無難に相手取る事も出来るが、ポイントポイントで精神力の引き出しもあるというイメージ。懐が深い馬。前向きさや駆動はそこまで強くないので中山より中京の方がベター。

前走で初めて精神力を使って文字通り激走したので反動が出そうなタイミングだが4ヶ月空いたので7割くらいはリセットされてるイメージでどうだろうか。中京1200の弱い相手に対しての外枠なら本質のCではなく量でこなせる条件。

 

 

⑮トウシンマカオ LS

他馬との摩擦を明確に嫌がる非C系。マイルからの短縮だったキーンランドで流れに乗り切れなかったように前向きさ、S質はそこまで強くないタイプで1400ベストのイメージはずっと変わらない。

オパールは道悪。スプリント適性や追走力がある程度免除されてのパワフルな差し切り。そして良馬場に戻っての京阪杯、道悪の恩恵が消えたのにまともに位置を取る事も出来て5番手からの差し切り。スプリント3戦目で速い流れに慣れたのか、圧勝も込みでかなり濃い内容。

本番直行でも好勝負になっていたと思うくらいの近走の挙動なのでこの条件は素直に評価。昨年のメイケイエールのように1400ベストのLっぽい馬がこなせるのがこのレース。

 

 

 

【評価】

◎キルロード

◯マッドクール

▲シャインガーネット

△トウシンマカオ

×ナムラクレア

×ウインマーベル

 

タフな馬場ならトウシンマカオの単でしたが内前有利な軽めの馬場なので差し損ねイメージで評価を下げました。タイプ的に内枠で揉まれるのはキツく、外枠自体は良いので勿体ない。

前に行けるキルロード、マッドクールを上位に。ハンデ線らしい混戦のイン差し狙いでシャインガーネットを3番手で。上位人気がどれも切り辛い。

2023 AJCC 回顧

【評価】

◎ガイアフォース

 

 

1着:ノースブリッジ SL(C)

毎日王冠秋天というレベルの高い中距離路線からのダウン+延長。少頭数らしい緩い流れにも関わらず馬群の中でしっかり我慢出来たのは大きかった。この辺はSL一辺倒ではなく一定の精神力も補完された完成度によるもの。体力を問われる展開にはならず、1人気が崩れた破綻質のレースで単純に馬質の差で完勝という内容。このレース質でこのメンバー相手だと王冠5着→秋天先行という臨戦過程が異質。ダラっとしたレースでタイプと臨戦の鋭さが活きたイメージ。

 

 

2着:エヒト LS

延長+ペースダウンで前走比でレース質が緩んだ事で連続好走のハードルが下がったのが1つ。体力だけでの雪崩れ込みではなく、低レベルながらもこの馬はしっかりパフォーマンスを2戦揃えて来たので七夕賞の内容も込みで一定の能力評価とした方が良さそう。基本的には体力質の外差しキャラ。少頭数や外枠で。

 

 

3着:ユーバーレーベン L

こういう追い込み続きのLっぽい差し馬がダウン+頭数減で間に合うようになるのが最終週のAJCCという舞台という事。ここまではっきりとした捲りではなくても、中途半端に位置を取ってダラっと差して来る形でも間に合う構図になっていたのではないかと思う。今後も道悪や少頭数等のダラっとした条件で。

 

 

4着:ラーゴム L

Cコース替わりでイン有利だった前走の金杯はダートからの短縮臨戦+タイプ的に重いこの馬ではどうする事も出来ず。格上げにはなるものの最終週のバラける馬場+頭数減で追走力の要求が弱まり、体力系のこの馬にとってはベスト条件となった。好走したものの4着だったのは単純な能力と格不足。

 

 

5着:ガイアフォース S

セントライト記念の時とは打って変わって覇気をほとんど感じない走り。春先から使いながらリズムも持っての4戦目+スピード質+挑戦者側の立場だったセントライト。休み明け+ダウン+最終週Lっぽい低レベルなメンバー構成の中での1人気となった今回は、全く違う資質を求められた。自身より弱い相手を格・横綱競馬でうっちゃるような資質。

菊花賞で非Cっぽさとラストの体力的な踏ん張りの無さを露呈していて今回は量不足を露呈。弱点は多い馬だがスイートスポットにハマった時の打点の高さは証明済み。リズムをつけて熱しながらの臨戦を踏めば大阪杯毎日王冠等スピード質のレースで面白いかもしれない。量を要求されやすい少頭数のG2はあまり向かなさそう。

 

 

6着:スタッドリー L

こういう経験値の薄いタイプでも対応しやすい緩いレースにはなった。凡走こそしなかったものの単純に能力負け。今回より厳しいレース質ではなかなか厳しい。とりあえずクラスを落としてOPでどの程度のレース質の幅に対応出来るかを見たい。

 

 

7着:アリストテレス L(S)

走りやすいレース質にはなったがまだ本調子には戻っていないという内容。走りが硬くてパワーが目立つが好調期はその硬さを突き破るようなイメージの前向きさ、エネルギーがあるのでその部分の見極めを丁寧にしたい。

 

 

8着:バビット (S)

個体の中にエネルギーがしっかりあって前向きな状態ならノースブリッジと同じようにL的なメンバー相手に風穴を空けられてもおかしくなかったタイミング。内前有利だったオールカマーでは今回と同じような走りで0.5差の4着に残せたが、現状だとそういう「前に行ける事だけで強みになる」ような極度のバイアスが掛かったレースでないと厳しい。

 

 

9着:レインカルナティオ L

延長+ペースダウン+頭数減でレース質が緩んでいるのに位置を下げる形でリズムを掴めず。ラーゴムのように素直に位置を取ればもう少し走れていたと思う。前走の方が内容としては良かったので今回は参考外とする。そもそも重賞では厳しいが条件を見極めればOPならまだやれる。体力質の低レベル混戦で。

 

 

10着:ブラックマジック M

これは普通にやったら厳しいので特にない。OPで好走するまでは放置でも良いくらい。今回の経験はダウンでもそこまで活きない。

 

 

11着:エピファニー LS

経験を重ねた重い体力系が2〜4着に来ており、この馬の軽い経験値では対応出来なかった。本質的に精神力はなさそうで自身より弱い相手向き。それ以上の細かい適性はまだ見えて来ない。

 

 

12着:レッドガラン ML

芝替わりでも活力を一切感じない走り。引退でも仕方ない。

 

 

13着:シャムロックヒル L

前に行ける事だけが強みでそれ以外の資質はほとんどない。

 

 

14着:オウケンムーン L

特になし。

 

 

 

ガイアフォースの単勝と、頭取りこぼしを見てノースブリッジ、ユーバー、ラーゴムへのワイド。

同じ1人気でも先週のロバートソンキーとは違う部類の外し方。

回顧としては論理的にガイアフォースのミスマッチを書きましたが、ここは嗅覚的なものでガイアを避けるべきレースだったのかなという感想。週中はガイア単万を検討したりもしていましたがそこから回避するのが精一杯でした。自分のMの理論に買わされてしまったという感覚があったり、ストレートだと思って投げていても120キロしか出ない球もあるという学びがあったり。

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